政府が「子連れ出勤」を後押しする――1月16日に各紙が報じた内容が、Twitterでトレンド入りするなど大きな話題となっています。
発端は、15日の宮腰光寛少子化担当相の発言。子連れ出勤を採用している授乳服メーカー「モーハウス」(茨城県つくば市)の視察後、記者団に「子連れ出勤を全国に広めたい」と語り、モデル事業の補助率を引き上げる方針を示したといいます。
ネットユーザーは、子連れ出勤についてどのように反応したのでしょうか。ねとらぼ調査隊が調べました。(期間:2019年1月11日〜2019年1月17日/Social Insight 調べ)
「子連れ出勤」はどのように捉えられたのか
ネット上の意見は――というと、実に89.1%がネガティブ(反対、批判)の反応でした。多かった意見は、「それよりも先に保育園を増やせ」。待機児童が社会問題化している中で、「子連れ出勤なら保育園に入れなくても子育てしながら働ける」と政府が捉えているようにも思えてしまうニュースに、ネガティブな印象を抱いたユーザーが多かったようです。
「子連れ出勤問題」の注目されたつぶやき
「子連れ出勤問題」のネガティブな意見
実際に子連れ出勤ができるのか? と気にするユーザーも。視察したモーハウスは、創業時から子連れ出勤を実施しているため、不可能ではないことはわかります。しかし、「満員電車で赤ちゃんを会社に連れていけるのか?」「女性側ばかりが子連れ出勤をすることになり、負担が集中するのでは?」という意見が相次ぎました。
宮腰さんが意見交換で「赤ちゃんはお母さんと一緒にいるのが何より大切だ」と指摘したという点も、「子連れ出勤=お母さんがすること」といった思考が見え隠れして、やや暗い気持ちになってきます。お父さんも子連れ出勤できるんやで!
「子連れ出勤問題」のポジティブな意見
一方、全てに賛成ではないけれど、前向きな意見もちらほら。子連れ出勤の現場を実際に見たことがある人は、「子育てに理解のある会社だと感動した」とポジティブに捉えています。また、「父親もやる」「環境や仕事内容によりけり」と条件付きで賛成する声も上がっています。
一緒につぶやかれた言葉
一緒につぶやかれたワード(共起ワード)の上位は、「ほしい」「やすい」「難しい」「悪い」など。
「ほしい」
「ほしい」は、「○○してほしい」という表現で出てきています。少なくないユーザーが連想したのは、2017年に緒方夕佳議員が生後7カ月の長男を熊本市議会に連れていき、入場を制限された件。緒方議員はのちに子連れ出席を要求しましたが、却下されています。「民間よりも先に、議会で実現してからにしてほしい」と感じる人も多かったようです。
「難しい」
「悪い」
「悪い」も共起ワード上位ですが、「子連れ出勤は悪い」という文脈ではなく、「子連れ出勤は悪くない」という流れの中で出てきているもの。それ自体は悪くないが、実現するには課題があり、他にも優先すべきこと(保育園問題の解決など)がある……といった意見が中心でした。
発言ユーザーの傾向は?
年代&性別
年代は、20代が46.2%、30代が30.8%で多数。働く子育て世代ど真ん中、ということでしょうか。性別は68.5%が女性。女性のほうが多いものの、男性からの注目も高いです。
新しい働き方として注目される子連れ出勤。みんなが子どもを連れて働くようになれば、もっと子どもを育てやすい社会になるのかもしれません。けれど、ほかの環境整備をせずに、「子どもを会社に連れてくればいいじゃないか」という流れになれば、かえってさまざまな人が働きにくくなるかもしれません。みなさんの意見はいかがでしょうか?
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