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好きな女の子に「いっしょにねよ」と言われて断れる男子などいるものか 「かぐや様は告らせたい」9話(1/2 ページ)

鋼の精神力。

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かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 (C)赤坂アカ/集英社

 恋愛は告白した方が負け! 「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」(原作アニメは、相手から自分に告白させるためにあらゆる知力体力を用いて戦うエリートたちを描いたラブコメディー。とっても愛しくてとっても面倒くさい少年少女の、青春の無駄遣い物語。


かぐや様は告らせたい


藤原書記、バレる。

 財閥の令嬢にして生徒会副会長、四宮(しのみや)かぐや。努力家の生徒会会長、白銀御行(しろがね・みゆき)。2人は自らの意地とプライドにかけて、自分からは告白しない、相手に告白させる、と心に決めて戦い続けている間柄。

 突然の台風で帰れなくなった生徒会メンバー。かぐやが、いかにして御行とドライブデートするか画策した揚げ句失敗。風邪をひいて高熱を出してしまいます。

 ここで恐るべき藤原書記情報。「風邪を引いたかぐやさんは すっごくあまえんぼさんになるんです!」


かぐや様は告らせたい 性癖が出てますね(4巻P86)

 「あまえんぼ」と聞いて脳裏にひらめいたのは、全裸でおねだりする(背中を拭くのを)かぐやの姿……よかった、御行普通の高校生男子くらいの性欲あったんだね! 安心しました。

 もっとも「あまえんぼ(甘えん坊)」は厳密には2通りの意味があります。1つは、親に甘えがちな子供のような状態のこと。もう1つは、恋愛対象に対して甘えがちな状態のこと。御行が想像したのは後者でした。

 藤原書記が一度だけお見舞いした時に見たのは、おそらく前者。彼女はかぐや大好きっ子なので、このあまえんぼモードを見たくて仕方なく、お見舞いに行くための勝負を御行と石上に仕掛けます。


かぐや様は告らせたい 性癖が出てますね2(4巻P93)

 裸のかぐやを拭きたい欲求が異様に強い御行。高熱で全裸はないだろ。最初こそリビドーのままに勝負していた御行ですが、途中でかぐやが自分を待っていてくれたこと、ゆえに彼女が風邪をひいてしまったことに気付きます。

 御行「碌でもない事ばかり考えて馬鹿か俺は! だとしたら見舞いに行かなきゃならんのは俺だろう 馬鹿な事考えてないで頭を回せ!!」

 気付いてよかった。見舞いというのは相手のためにするものであって、自分が弱っている相手を見に行くためのものではない。御行がちゃんとかぐやのためを思って行動できた瞬間です。以前からそのへんはわきまえている彼ですが、自らスイッチを入れられたというのが重要。

 その一方で悲しいことになったのは藤原書記。


かぐや様は告らせたい 詐欺とかイカサマに向いてないんだよ(4巻P91)

 イカサマを仕掛けたはいいものの、2回連続でバレるという恥ずかしすぎる事態に。石上の悪意なきオーバーキルで、普段は厚顔無恥気味な藤原書記もド赤面。あんまり弱らない子だけに、この顔はぜひ記録しておきたい。

 できないイカサマを天才達に対してするくらいに、藤原書記はかぐやを大好きで、あまえんぼかぐやを見に行きたかった、というのは評価してあげよう? ただ、自分のためだった藤原書記では、かぐやのためを思った御行には勝てなかったというだけの話。


かぐやのあまえんぼ


かぐや様は告らせたい 朗読が雑(4巻P105)

 かぐやのあまえんぼは幼児退行に近いもの。これを見ていると、藤原書記がかわいがり倒したであろう様子が容易に想像できる。ここで近侍の早坂が読んでいるのが、子供向け絵本の「ねむりひめ」なのが象徴的。茨の中で眠り続けた姫を、王子がキスをして目覚めさせるというこの物語、エリートな家庭環境から抜け出せない中、御行に出会えた彼女自身のよう。熱によってあらゆる理性が排除され、素直になった状態でのお気に入りというのがポイント。


かぐや様は告らせたい 5歳児くらいかな?(4巻P109)

 御行が見舞いに来た時、彼女が探していたのは花火。彼女の行動を見ていると、どうも小学校に入る前、5歳児くらいの反応をしている様子。熱でここまで理性を失うか? という感じですが、これこそがかぐやのあまえんぼ。感情を締め上げる自己抑制のタガが外れたことで、心の成長がねじれてしまった時期に戻った、というのは割と現実でもありそうな気はします。


かぐやのさびしんぼ


かぐや様は告らせたい 彼女の欲しているものはなんだ?(4巻P111)

 御行が一緒に自分の家に住むことを考えちゃうかぐや。これが本心となると、どうもお付き合い云々の話じゃない。彼女は、とてもさびしがっている。「きょうからうちにすむの!?」はいわば、彼女の希望のようなもの。彼女がほしいのは、家族なんじゃないか。

 邪な思いは1ミリもない。むしろそこに見えたのは、彼女の悲しみ。


かぐや様は告らせたい 罪悪感(4巻P116)

 かぐや「わたしいつも かいちょうをこまらせてる」「はじめてのことばかりだから わからないの だからわたしがしってるやりかたしかできない ほかのやりかたをしらない こういうふうにしかできないの」

 御行はかぐやを迷惑だなんて考えてないので、この発言にはびっくり。藤原書記からは「あまえんぼ」といわれていましたが、わがままを言う、というのが普段のかぐやにはできない。

 甘える、というのは相手に対する信頼感の現れです。人に全幅の信頼をおいていいのかわからないし、相手に信頼されている自分を想定できない。彼女自身、家族に信頼したりされたりしてこなかったから。

 彼女の望み。一緒にいてほしい。花火で遊びたい。


かぐや様は告らせたい 理性 の 糸(4巻P118)

 一緒に寝てほしい。

 いやいや、あなたは子供のように無邪気かもしれないけど! 御行は男の子だから! 裸を拭く妄想をし続けた御行でも、ここまでは想像しなかった。

 朝目覚めた時、かぐやの隣には御行の姿。果たして彼は欲望を留めることができたのか? 完全未遂か? 待て次回!!


かぐや様は告らせたい いろいろ渡しかねない勢い(4巻P113)

 早坂的には、かぐやに手出しするのはありらしい。言動を見ていると、最後まで想定の範囲内らしい。3時間って“休憩”の時間ですよね。とはいえここまで押しても、御行がへたれなことくらい見抜いてはいるだろうけども。

 気になるのは、以前見舞いに来た時、藤原書記もかぐやと同衾したのかってとこです。

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