「無限アラート」で摘発された2人を支援する寄付 日本ハッカー協会が呼びかけ
単に2人を救済するだけでなく、ソフトウェア技術者・セキュリティ技術者の業務の自由を守ることが目的としています。
無限アラートを表示させるWebサイトへのリンクを掲示板に貼ったとして、成人2人と中学生1人が兵庫県警察の家宅捜索を受けた件で(関連記事)、摘発された2人を支援する寄付の受け付けを日本ハッカー協会が始めました。
発起人は同協会の会員である加藤公一さん、高木浩光さん、とつげき東北さん。加藤さんは、摘発の原因となったものと同様のプログラムを公開し騒動に一石を投じる「みんなで逮捕されようプロジェクト」を展開しています(関連記事)。
発起人らは、家宅捜索を受けたうち2人が費用の問題で弁護士をつけておらず、このままでは裁判を受ける権利を行使できず略式命令で罰金刑に処されてしまう展開が予想されることから、同協会は寄付を募ることにしたとしています。
「我々は本件について、後述するように、法の趣旨を逸脱した不当な摘発の可能性があるのではないか、と疑問を持っています。そして、もしもそうであるとすれば、IT技術の開発者と利用者の権利が不当に害されてしまうのではないか、と恐れています」(発起人)
今回問題となったプログラムはPCやスマホのデータを消去するなどの損害をもたらすものではなく、「このようなプログラムに対して『不正指令電磁的記録の罪』を適用して犯罪とすることは、他の正当なプログラムの作成や提供にも影響を及ぼしかねない重大な問題がある」と発起人。
「ソフトウェア技術者が通常の業務で作成するソフトウェアでアラートループを発生させた場合、その提供の態様によっては摘発の対象になり得る」「ジョークの表現行為であってもプログラムを用いたことをもってして犯罪とされかねない」として、発起人はソフトウェア技術者が萎縮するとの懸念を表明。
今回の事案がこのまま正式裁判で争われず略式命令が確定してしまうと、有罪事例の「実績」となり、他の地方警察や検察の判断にも影響し、不正指令電磁的記録の対象が拡大されていってしまう事態になりかねないとして、発起人は、寄付の目的は単に2人を救済することだけではなく、ソフトウェア技術者・セキュリティ技術者の業務の自由、IT技術利用者の権利を守ることだと説明しています。
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