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もう2019年だから「恋愛やデートで男性にリードされたい」と言いづらい。でも本心はリードされたいジレンマ問題について(2/2 ページ)

男性だってリードされたいのでは説。

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「リードなんかしたくねえ」が人類の総意では?

 おそらく男性側の欲望が最も端的に表れているであろう、男性向けR18マンガ(おれは恋愛経験に乏しいので、すぐにソースがそっち系のマンガになってしまうのである)に、男性側が常識的な方法で関係をリードするマンガが掲載されたことはあっただろうか。「男がめちゃくちゃ頑張ってデートの段取りを組み、うまく予定を消化してその結果スケベな展開になる」というマンガが、快楽天に載ったことはあったのだろうか。おれは見たことがない。

 大抵はかわいい女の子にグイグイ来られたりとか、棚ぼた的なラッキースケベとか、あとはなにかしら非常識・非合法な方法でスケベ行為に及んだりとか、なんかそういう作品が多いと思う。積極的な後輩や押しの強い女上司、そんなことになると思ってなかった幼馴染や近所の人妻。例外はあるかもしれないが、とにかく男の方がすごく努力してその結果ドスケベな展開に至る……という作品はほとんどないと言っていい。

 成年向けマンガだって商業出版物だ。不特定多数の男性の欲望に寄り添って、その結果お金を払ってもらうのを目的としている。そういう出版物において、「常識的な方法で女性をリードしてスケベ行為に及ぶ」という作品がほとんど掲載されていないということは、つまり男性だってリードすんのダルいしやりたくない、ということなのではなかろうか。

 そもそも、1回のデートに関してリードするのにかかる作業工程は、ほとんど「職場の宴会の幹事」に近い。職場の人間の希望を聞いて店に予約を入れ、会費を回収して席順にも注意してビール注いで二次会のことも考えて……というアレである。アレを自主的にやりたい人、います? おれは絶対にイヤだが? 中長期的な関係性のリードということに関して言えば、さらに考えることが増えるわけである。想像するだけでめんどくさくなってきた。

 つまり、「リードされたい」という願望は女性だけのものではなく、人類全体が共通して持つ願望なのである。多分その行き着く先はメシア信仰とかそういうのなんじゃないかという気がするのだが、そこまでいくと話が難しくなりそうなのでここでは置いておく。とにかく、「そうは言ってもリードされてみたいな……でもそんなこと考えるのもどうなんだろうな……」と考え込んでしまう全ての人類(特に女性)、安心してほしい。おれを含め、多分君以外の人類も皆そうである。

 願わくば、おれとしてはもういい加減「リードする/される」という行為の呪縛から全ての男女が解放されてほしい。「あの人とここに行ったら楽しいだろうな」とか「一緒にこれを食べたいな」と考えたり実行したりするのはステキなことだと思うけど、そこに過剰に意味と責任を持たせるのは面倒なことしか生まない気がする。別にいいじゃないですか、どっちがどうでも。

 というわけで、ことおれに関して言えば、今後は全てのリード行為の上限を「『野球やろうぜ〜』とカツオを誘う中島くらいの感じ」と定めたい。途中で雨が降って野球ができなくなっても仕方ない。それくらいののんびりさでいきたいものである。なんせ人類はほぼ全員、自分以外の誰かにリードされたいと思っているのだから。

どっちがリードするのか問題
今回の結論

編集部からのひとこと

  • 概ね同意です。(男性編集I氏)
  • デートのリードを「飲み会の幹事」というくらい重いものとして思っているからダメなのでは……? もっとデートのリードは気楽なものでいいのでは……?(女性編集H氏)

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