新人の歓迎会でよくある「先輩や上司による一発芸の強要」の対処法を描く漫画が、ぶっちゃけ何の参考にもならなくておかしいです。そもそも示された方法が尋常でなくて、マネのしようが……。
舞台は新入社員の歓迎会。主人公の女性社員が、つかみどころのない新人の水谷に困惑しつつも面倒をみています。すると唐突に、先輩の大原が会話に割り込み、水谷に「何かやれ」とむちゃぶり。「パワハラだ」と大原をたしなめる女性社員をよそに、水谷は抵抗せずスッと受け入れます。
ここまでは多くの会社であり得る光景だったのですが、水谷がバタフライナイフを取り出した瞬間に場の空気は一変。無表情でテーブルに手を置き、「それじゃ指ナイフやりま〜す」と宣言する様子に、先輩たちは背筋を凍らせます。そもそも、ガチな刃物を常備してる時点で怖いよ!
そして周囲の制止する声を聞き流し、ナイフを振り下ろす水谷。「ハッハッハッ大丈夫ですよ大丈夫ハハッ」と軽く笑ってみせるほどの自信に根拠はなかったようで、刃はいきなり手の甲に突き刺さるのでした。ギャーッ!
それから時は流れてまた新歓シーズンが到来し、今度はあの女性社員が幹事に。「一発芸の強要など一切禁止!」と厳命する様子が、水谷の一件が健全化をもたらしたことを物語ります。
職場の環境も改善されているようで、「この会社、嫌な先輩はいないし古い社風もないし最高っすね!」と喜ぶ新人も。やる気に満ちあふれる彼をながめながら、女性社員はふと思い出します。事故のあとで左遷された大原と、今も会社の“どこか”にいるらしい水谷のことを……大原の処分は仕方ないかもしれないとして、水谷どうなったんだよ!
「平和って……何かの犠牲なしには得られないものなのかしら……」と、重い言葉で締めくくられたこの漫画には、「水谷くんには悪いけど、泣くほど笑ってます」「一発芸を強要するやつより、ナイフ常備してるやつのほうがよっぽどヤバい」「これ、ヘタしたら大原さんが刺されていたのでは」など、さまざまな反応が寄せられました。
「水谷は純粋に芸を見せたかったのか、パワハラを正すためにわざと犠牲になったのか?」「最終的に水谷はどうなったのか」といった疑問も多数。作者の森なつめ(@natsumemori)さんは、「答えは僕たちの心の水谷くんの中に……」とだけ述べています。
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