王道ファンタジーRPGとして配信されていたスマホアプリ「蒼穹(そら)のミストアーク」が、運営会社の変更によって突然「ハーレム伝説ZERO」というタイトルに生まれ変わり、既存のプレイヤーから困惑する声があがっています。タイトル変更だけでなく、さわやか好青年だった主人公がグラサンのゲス野郎に変貌を遂げるなど、キャラクター設定まで変わってるんですが……。
どうしてこのようなタイトルになったのか、メーカーの発表を見ると、複雑な事情が浮かび上がってきました。
今回「蒼穹のミストアーク」を買収したエクスカリバーは、「蒼穹のミストアーク」のスピンオフ作品「ハーレム伝説 〜俺の時代がやってきた〜」をリリースしていた会社。ところがサービスを続けるうちに「蒼穹のミストアーク」よりも「ハーレム伝説」の方が人気が出てきてしまい、今回の“逆買収”+改名に至ったようです。そんなことあるのか。
ゲーム内容については基本的に「蒼穹のミストアーク」のままなのですが、改名に伴って、新たに冒険の幕開けを描く「真のチュートリアル」を追加。ところがこの内容がまたぶっ飛んでおり、賛否両論を巻き起こしています。
改名前の主人公は「世界平和のために聖剣を求める」正義の男でしたが、それはあくまで仮の姿。「真のチュートリアル」ではテキストが「主人公の本音」に書き換えられており、真の目的は聖剣の力で神をも滅ぼし、唯一絶対の権力としてハーレムを結成することだったことが明かされます。これにはヒロインもドン引き。
キャラクターに思い入れがあった既存ファンの心情を想像すると胸が痛くなりますが、令和のゲームでポリコレのポの字もないテキストを読めるのはある意味奇跡。清々しいまでのゲスっぷりは、端から見る分には笑えるものがあります。
あまりの変わりように興味本位でゲームを開始したというプレイヤーも多く、プロモーションは成功と言えるのかもしれません。また5月中は合計1000枚のガチャチケットが配られるキャンペーンも開催されており、実質ガチャが引き放題。既存のプレイヤーからも「ガチャのランダム性が薄くなったことでプレイヤーの実力が出るようになった」とゲーム部分のテコ入れを喜ぶ声が上がっていたりします。
一応、旧運営と現運営、双方合意の上での路線変更のようですが、とはいえユーザーの心理としてはそう単純ではないでしょう。昨日まで遊んでいたゲームが急に「ハーレム伝説ZERO」になり、さわやか青年だと思っていた主人公が実はゲスだったという衝撃はなかなか計りかねるものがあります。熱心な既存ファンと怖いもの見たさに始めた新規プレイヤー。双方が納得する形で事態が落ち着くことを祈ります。
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