「あなたの番です」袴田吉彦(久住譲)が袴田吉彦(本物)を殺したい――ドラマに「ポイントカード」自虐をぶっこんできた5話 “3人の実行犯”を推理(2/2 ページ)
この世界には、袴田吉彦が演じる久住譲と、袴田吉彦が演じる袴田吉彦が存在している。
ラストはこうなる!?
怪しく見えたとしても、人にはそれぞれ事情があって、そう見えているだけかもしれない。でも、疑心暗鬼のなかでは、それぞれの事情まで感がられなくなり、同調圧力が高ければ、それが暴走してしまう。
これが、「あなたの番です」のテーマであり、物語を動かすエンジンである。この「あなたの番です」各話レビューでは、一貫して、そう読み解いている。
とするならば、今回、明確に映し出された3人の実行犯は誰か。
第2話放送後に書いた「黒幕はいない説」(→「秋元康原案「あなたの番です」2話でわかった全真相、NGT48事件とも重なるメッセージから読み解く」)をベースに考察を進めてみよう。
1人目の死者・床島が事故であり、交換殺人が起こったと勘違いした人間による殺しの連鎖が真相だとするならば。そして、殺した人間たちが共謀しはじめたとするなら、2人目(Dr.山際)、3人目(タナカマサオ)、4人目(赤池:正確にはここは2人死んでいる)を殺した3人なのではないか。
そうなってくると、予測していた「交換殺人を完成せんとする同調圧力の化物とかした住民たち全員が、手塚翔太を殺そうとする展開」も十分ありえる。
いや、狙われるのは手塚菜奈かもしれぬ。筋肉トレーニングをしいている手塚翔太が「ダイ・ハード」ばりのアクションで、殺人マンション住民たちの魔の手から手塚菜奈を守る大アクション回になるのではないか。想像の斜め上の展開を続ける「あなたの番です」なら、ありえる。そう想像するとワクワクするぞ。
予告によると第6話は、菜奈が殺人メモに書いたのは「細川朝男」だったと判明し、おかしくなりはじめていた児嶋佳世が大暴走するようである。
米光一成
ゲーム作家、デジタルハリウッド大学教授。代表作「ぷよぷよ」「はぁって言うゲーム」「はっきよいゲーム」等Twitter
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