「ラジエーションハウス」本田翼と窪田正孝がハイタッチの6話 視聴率は最高更新、平成の残り香のような「HERO」感が惜しい(1/2 ページ)
医師と技師の対立を超え、チームに変化していく予感を見せたハイタッチ。
5月13日に放送された「ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜」(フジテレビ系)の第6話。対立していた医師と技師が融和に向かう分岐点は、まさに今回だった。
第6話あらすじ「IVR(画像下治療)か開腹手術か」
医師で放射線科長の鏑木安富(浅野和之)は、甘春総合病院長の大森渚(和久井映見)に会い、放射線技師の役割を超えた五十嵐唯織(窪田正孝)の行為は医師法に抵触する可能性があり、憂慮すべき事態だと告げる。
そんな折、公園で手すりから落下し、腹部を強打した女の子・沙里(中島琴音)が救急搬送されてきた。CT画像を見た甘春杏(本田翼)は脾臓の出血を確認、将来、傷口が目立たなくて済むよう、画像診断装置で体の中を見ながら治療するIVR(画像下治療)を提案した。ところが鏑木は、万が一のことを考えてIVRではなく開腹手術をするよう命じる。すっかり落ち込んだ杏にどう言葉をかければいいのかわからない唯織は、IVRに関する勉強を始めた。
鏑木が学会での講演に出かけたある日、大腸ガンで入院中の男性患者が病院内で倒れるという事態が起きた。CT検査の結果、腫瘍からの出血が認められたが、患者は心筋症を合併していることもあり、手術には耐えられないと思われた。時間的な猶予がないことから、杏は鏑木の到着を待たずにIVRを決意。手術中、不安で手が震える杏だったが、唯織たちの励ましとアドバイスのおかげで無事止血に成功した。治療を終えた杏は、唯織とハイタッチした。
医師vs技師から、技師が医師をサポートする一丸体制へ
放射線技師の枠を越えた行動を鏑木に指摘される唯織。自分らに打ち解けようとしないプライドの高さを技師から指摘される杏。この2つのシーンから6話は始まった。
IVRを提案した杏に、命の優先を考えた鏑木は開腹手術を行うよう命じた。前院長である杏の父はIVRの名手だった。父なら開腹手術を行わずに沙里を救えたのでは……? 「そのとき担当した医師がどんな治療をするかで、患者の人生が一変してしまう。それが現実」、黒羽たまき(山口紗弥加)の言葉に落ち込む杏を見て、唯織はIVRの勉強を始めた。唯織は今回、あくまで技師の枠に留まった形で杏をサポートするのだ。
今まで、このドラマは医師vs技師の対立構造を描いてきた。天敵がいれば、チームの結束が深まるのは必定。医師と対峙する技師たちのチームワークは強い。
そして今回、技師と医師がようやく一つになった。つまり、放射線科全体のチームワークを描くフェーズに突入したのだ。これは、唯織との接触によって杏が成長したことの表れ。6話のハイライトとも言える唯織と杏のハイタッチは、まるでバッテリーのようだった。放射線技師というバックを信頼し、投げ切って完封勝利を挙げたピッチャーが杏だ。
鏑木は敵か味方か?
放射線科全体がまとまりかけている中、厄介なのは鏑木の存在だ。
実は今回、職務に真摯に向き合う鏑木の一面が密かに描かれていた。例えば、周囲に惑わされず沙里の開腹手術を命じた彼の決断。不安定で未熟な杏より、少女の命を優先する鏑木の判断のほうがこのときは明らかに正しかった。学会で出会った美人を袖にし、急患のために病院へ駆け付けた彼の使命感も買える。何より、取材協力した書籍で鏑木は技師のことを医師を支える縁の下の力持ちと描いていた。
放射線技師にとって、もしかして鏑木は目の上のたんこぶじゃないのかもしれない。今後、彼が技師の理解者になる日が来てもおかしくない。なんだかんだ、みんな医療に対して真摯だ。
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