「オイ変な電車が来たぞ〜!!」「何この珍車?」 阪神電鉄線を走る近鉄特急に乗ってきた:月刊乗り鉄話題(2019年6月版)(2/3 ページ)
超レアな「阪神×近鉄 直通運転10周年」の特別記念列車! 赤福&モー太郎弁当も食べてきました。
「なぜいきなり満席なの」「何で扉が開かないの?」──近鉄区間のびっくりも面白い
阪神電鉄の高架区間はスピードを上げて特急らしく快走。途中の駅で各駅停車を追い越していきます。ツアーの行程表によると、尼崎を出ると次の停車駅は伊勢市です。阪神と近鉄の境界駅、大阪難波すら停車しない扱いです。実際には時間調整の都合もあって停車しますが。
西大阪線時代の終着駅、西九条で停車、大阪難波駅の1つ手前の桜川駅でもいったん停車。向かい側に近鉄特急アーバンライナーがいました。あれ、ここ阪神電鉄区間だけど……と思ったら、実は桜川駅は近鉄難波駅(現・大阪難波駅)の引き上げ線として使われた線路を流用したそうです。営業上は阪神電鉄、運転上は近鉄の扱いだとか。乗務員の交代もこの駅で行うそうです。だから長めに停車したんですね。
乗務員の交代と言えば、阪神電鉄区間の車掌さんは「ご乗車ありがとうございます」と何度も言います。近鉄区間の車掌さんは最小限の案内だけ。企業風土の違いを垣間見るようです。それから近鉄特急の車内放送のチャイムは、昔のファミコンゲームみたいな音です。なんだか懐かしい。皆さんもぜひ近鉄特急に乗って聴いてみてください。
大阪難波駅の停車中に見えた、ホームで待つお客さんの表情も面白い。前述した阪神電鉄区間では「何でここに近鉄が?」という感じでしたが、ここはもう近鉄線。電車自体は珍しくないはず。ここでのお客さんの戸惑いは「何で扉が開かないの?」です。
ここは近鉄特急の起点。桜川方面からの特急電車の場合は回送されてくる車両なので基本的にお客さんは乗っていないはず。それが満席で来たからビックリ、扉が開かないからさらにビックリ、というわけです。
近鉄区間に入ると、我らが臨時特急の立場は微妙です。特急だから各駅停車などを追い越します。しかし、臨時列車として定期列車に割り込んでいるため、定期列車の特急には線路を譲ります。河内山本駅では急行にも追い越されてしまいました。大和朝倉駅では2階建て特急の「ビスタカー」に抜かれ、青山町駅では「アーバンライナー」に抜かれました。でも全く悔しくありません。むしろうれしい。だっていろんな特急電車を見られますからね。次はどれに乗ろうかな〜。
大手私鉄最長の青山トンネル(全長5652メートル)を駆け抜けると、景色は山の中。大都市から大自然へと景色が変わります。これが長距離特急列車の楽しいところです。なにしろ近鉄特急は大手私鉄で最長距離の路線網を持つ会社ですからね。
伊勢中川駅の手前で線路が二手に分かれます。左へ行くと名古屋へ、右へ行くと伊勢志摩方面へ。われわれは伊勢志摩方面、山田線に入ります。11時46分、伊勢市着。列車は次の宇治山田駅まで行きますが、お伊勢参りツアー組の私はここで下車。171キロ、3時間10分の列車旅が終了しました。
帰路は宇治山田駅17時33分発で、神戸三宮着は20時40分着。夕食用に注文した駅弁「モー太郎弁当」(関連記事)を味わいつつ、阪神電鉄の高架区間から夜景を眺めました。
「阪神・近鉄つながって10周年記念ツアー」は2019年、2020年の2年にわたり企画されるとのこと。第五弾は2019年7月6日、近鉄特急22600系車両で神戸三宮から近鉄名古屋まで、近鉄線「車庫めぐり」ツアー。第六弾は同7月15日、阪神1000系車両で山陽電鉄、阪神電鉄、近鉄の車庫めぐり。以降は後日発表予定です。鉄道ファン向け、観光向けなど、今後の展開が楽しみです。
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