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姿を消した変体仮名
これらのひらがなは時の流れの中で、書きやすさなどの点から一部形を変えたり、使われなくなったりしたものもありますが、多くの文字は長い間等しい扱いを受けていました。この状況は、幕末の混乱を乗り越えて明治時代まで続いていました。
そんな和気あいあいとしたひらがなの世界に、突如として激震が走ります。1900年(明治33年)、小学校令施行規則の改正が行われ、「学校教育で用いるひらがなは1つの音につき1文字、全部で48文字に限る」という内容のお触れが全国に出されたのです。
これにより、ひらがなはその半数以上が私たちの日常生活から姿を消し、古文書の中にだけ登場する化石となってしまいました。「ka」という発音に対応する文字には「加」を省略した「か」が選ばれ、「可」「賀」を省略した文字には、もはやめったにお目にかかることができません。
こうして化石となった「選ばれざる文字」は、その後「変体仮名」という、一度聞いたら忘れにくいような名前を授けられ、現在に至るのです。
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