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洋式便器のメリットとデメリット
洋式便器は、前述したような使いにくさがなく、高齢者や小さなこどもにもやさしい。温水洗浄便座(一般家庭での普及率は80%を超えている)や自動洗浄などの機能を備えているものも広く普及しており、使い勝手だけでいえば、選ばない理由はないようにも思える。
しかし、中にはもちろん使いたがらない人々も存在する。
洋式便器は、便座に直接肌を密着させなければいけないので、不特定多数が利用する外のトイレに嫌悪感を覚える場合があるのだ。便座を拭くための消毒薬などが設置されている場合もあるが、「無理なものは無理」という人は和式便器を使うほかない。
比較的少数かもしれないが、このような需要がある以上、全ての和式便器を駆逐するわけにはいかないということなのだろう。
国内の和式便器の出荷比率を見ると、1980年に40%だったところ、現在では約1〜2%まで低下しているという。このまま和式便器は姿を消すのか、それとも上記のような理由から細々と残り続けるのか――。
2020年には東京オリンピックをひかえており、公共施設のトイレ事情は対外的にも重要なものと見られることだろう。“トイレ先進国”としての今後の動向を注意深く見守りたい。
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