回答
問題1:ブラックホールの構成要素は?(2つ)
答え:「無限に小さくなった質量の点」と「事象の地平線」
ブラックホールは「巨大な質量が無限に小さく縮んだ点」「事象の地平線」がセットになった概念です。
ブラックホールは、きわめて大きな質量が点ほどの大きさも持たないほどに小さく縮んでできます。強力な重力を持っており、モノの脱出速度(重力を振りきるのに必要な速度)が光速に達してしまう範囲が存在します。
この範囲のことを「シュバルツシルト半径」といい、ブラックホールの大きさを表します。さらに、そのシュバルツシルト半径の境界面には「事象の地平線」という呼び方があります。
問題2:太陽(半径約70万キロ)をブラックホールにするには、どれくらいまで縮めたらいい?
答え:半径3キロ
天体の質量が大きいほど、そして半径が小さいほど、ある天体からの重力を振りきるための脱出速度は大きくなります。ブラックホールでは、この脱出速度が光速を超えてしまいます。
「太陽でも半径3キロにまで縮めればブラックホールが作れる」というのは簡単ですが、本当にやるとしたらどれくらい大変か(そもそも方法はあるのか)想像がつきません。
ちなみに、実際のブラックホールになる恒星は、自分の重力によって縮んでいくため、一定以上の膨大な質量が必要。具体的には、太陽の20倍以上の巨大な質量を持った恒星しか自らブラックホールになることはできません。
問題3:突然ですが、あなたの上司がブラックホールに吸い込まれそうになっています! さて、どんな風に見えるでしょうか?
答え:シュバルツシルト半径に向かって、だんだん“遅くなって”吸い込まれていく
本来、モノが落ちていくときにはどんどん加速していくので、日常生活の感覚だと「だんだん加速して、吸い込まれていく」と答えたくなります。しかし、この問題のポイントは「落下速度が光速に限りなく近づく」ことと「離れた場所で見守っている」という状況。一般相対性理論によると、物の速さが光速に近づくと時間の進みが遅くなるようです。
この状況では、あなたには、上司がぐにゃぐにゃしながらシュバルツシルト半径に近づいていく様子が見えます。落ちていく速度は次第に動きがゆっくりになり、最終的にシュバルツシルト半径で停止したように見えるでしょう。
「ブラックホール」という言葉が生まれたのは1967年といわれており、ブラックホールの研究が急速に開花したのは1970年代のこと。人類がその存在を知ったのは意外と最近のことで、2019年4月ごろには「史上初、ブラックホールの撮影に成功」というニュースが話題を集めました(関連記事)。
今後も新たな発見が続くであろうブラックホールから、今後も目が離せませんね!(見えないけど)
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