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GT-Rや試作車も再現できちゃうの!? 日産自動車の秘密基地に潜入、世界最高峰のドライブシミュレーターを体験してきた(2/3 ページ)

まるで実車のような挙動を体験してきました。

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日産の「世界最高峰のドライブシミュレーター」に乗って初手でやらかすおじさんです

日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
さっそくドライブシミュレーターを体験するぞ!

 ドライブシミュレーターに乗るには研究棟の2階に移動して、専用の通路を通る必要があります。なんか本当に秘密基地っぽくなってきた……! さっそく車内に乗り込んで最新鋭のドライブシミュレーターを体験していきます。

日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
「なんかロボットアニメの出撃シーンみたいな気分」って思ってました

 本物のクルマと同じように、パーキング状態を確認してからブレーキを踏みながらエンジン始動ボタンをポチッとな。シフトをドライブに入れて、アクセルを踏むと……画面が動き出してシミュレーションが始まったことがわかります。

日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
運転席はパッとみただけでは普通
日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
運転中の車内の様子

 この状態だとビデオゲームを遊んでいるような感じで、とても「世界最高峰のドライブシミュレーター」には思えません。

 しかし、本番はここから! ハンドルを右に! うぉおぉぉぉ横Gがすげぇ!

 ハンドルを左右に動かすとまるで実車のような横Gが身体に伝わってきます。「時速100キロで高速道路を走っている」という設定だったのですが、「まさにそれ!」と声に出したくなるくらいリアルな感触がありました。

日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
作動中のドライブシミュレーターを外から見たらこんな感じ。ぐわんぐわん動いてるけど、中にいるとこんなに動いてる感じはない

 脳汁ぷっしゃーとテンションがあがった瞬間……画面に表示されたのは「Error」の文字。うっかり強制停止されてしまったのは言うまでもありません。同乗した研究スタッフが「おそらくレールの限界まで達したんだと思います。安全性のために今日は強めにセーフティかけていたので」と教えてくれました。

 気を取り直して、今度はちょっと意地悪なことをしてやろうと思って、ハンドルを左右に小刻みに揺らしてみたところ……なんとこれも如実に反応を示しました。1レーン分、2レーン分とハンドルを切り具合を変えると、それに合わせて横Gもしっかり変化。なにこれほんとすごい……楽しい!

日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
研究スタッフが解説してくれたシステムの概要

 研究スタッフに聞くところによると、なんでも横Gに関しては「最大加速度は1.2Gまで出せるようになっている」とのこと。前後に関してはレール幅などの制限もあって0.4Gが最大とのことでした。

 次はシーンを変えて木々に覆われたワインディングな道を走ってみると、先程とは違った驚きがありました。ここではサスペンションの設定を変更して、すこし柔らかいセッティングにしてあるそうです。なるほど、なるほど?

日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
木々に覆われた道を走るシミュレーション

 さっきまで走っていた高速道路ではハイスピードで急激なハンドリングばかりを試していましたが、ゆったりと走っているときは左右に曲がるたびに「タイヤの挙動」を感じられることに気が付きました。ハンドルを切った時に感じる沈み込みとか、沈み込みが戻ってくる感覚とか……変ですよね、サスペンションどころかタイヤすらないのに。

日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
サイドミラーには後方の映像も

 このドライブシミュレーターはそもそも「実車を使わずにテスト走行を重ねてデータを集める」という目的で作られており、そのためには実車に限りなく近い挙動を再現するように作られています。

 長いレールや6本のアクチュエータなどは、加減速やハンドルを切った直後に起きる車体の沈み込みなど、運転時に発生するあらゆる挙動を、ドームの回転、アクチュエータの挙動、そしてレール上の移動を複合させて、実車に近い動きを忠実に再現しているのです。

日産自動車 テクニカルセンター ドライブシミュレータ
研究棟2階から見た稼働中のドライブシミュレーター

 研究スタッフに聞いた話では、いろんな道路を天候や気温などさまざまな状況にあわせて走って得たデータ(数値)はもちろんのこと、運転した人がどんな感覚を得るかというフィーリング(感覚)も重視しているそうです。

 そのためテスト内容は多岐にわたり、「車内の装置(ボタン)を操作するときの人間の動き(視点など)」や、教習所のシミュレーターにもある「急な飛び出しに対しての反応速度」などから、昨今注目を集めている「自動運転中」に人がどこを見ているのかなど、体感的なデータもたくさん集めているそうで、それらは設計開発のチームに提供されているそうです。先日の新型スカイラインに搭載された「高速道路の手離し運転」を実現した「プロパイロット 2.0」も、このドライブシミュレーターのデータが活かされているのでしょうね。

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