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【直伝】流し撮りの成功率を上げる方法(2)「一脚を効果的に使う」レースフォトグラファー奥川浩彦の「サーキットへ行こう」(7)(4/4 ページ)

後編は「一脚のメリットと撮り方のコツ」を具体的に説明します。

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一脚の選び方

 筆者が過去に使用したメーカーは3社だけなので、お勧めのブランドや製品の言及はしません。軽くて、丈夫で、伸ばすと長くて、縮めると短くて、安いのが理想だと思います。

 ここで伝えたいのは「伸ばしたときの長さ」です。

 筆者が現在使用している一脚は以下の3本です。いずれもベルボン製です。

型番 全高 縮長
Geo Pod E54M 1570ミリ 480ミリ
Geo Pod E64M 1620ミリ 500ミリ
Geo Pod V84 1930ミリ 605ミリ

流し撮り サーキット レース
左からE54M、E64M、V84

 筆者は身長172センチ。撮影時は身長測定時の背筋を伸ばした状態よりは少し低くなり、カメラを構えたときの目の高さ(=ファインダーの高さ)は約154センチです。一脚を取り付ける三脚座はレンズの機種により差がありますが、約145センチとなります。よって、一脚の全高は1450ミリあれば撮影が可能となります。

 ただしこれは、平らな場所で一脚を真っすぐ立てて撮影する場合です。土手の斜面では一脚の支点は足元より低い位置になるので、その分の長さが必要です。踏み台やU字溝、コンクリートブロックなどの上に立ち、地面に一脚を立てて取るシーンもありますし、一脚を斜めにして撮るシーンでも相応の長さが必要です。

 筆者の場合はサーキットの報道エリアが主な撮影場所です。例えば「ツインリンクもてぎ」は、全域フラットなので長い一脚は必要ありませんが、「鈴鹿サーキット」は時々、「富士スピードウェイ」は頻繁に踏み台やU字溝に乗って撮るので、長い一脚がほしくなります。

 一方で可搬性は当然短く軽い方が楽。ということで、これから一脚を選ぶならば、自身のカメラを構えたときの目の高さをまず計り、撮影する場所の傾斜や踏み台の高さを考慮した長さの幅がある製品を候補にするとよいでしょう。

「1/60秒ならそこそこOK」までに成功率が上がった

 前回と今回で流し撮りの成功率を上げる方法をお伝えしました。

 筆者はこの2つを意識してトライ&エラーと実践を重ねたことで、以前の「1/60秒で撮れたらラッキー」から、「1/60秒ならそこそこOK」「1/15秒〜1/30秒が撮れたらラッキー」と、1段から2段くらい成功率が上がったと感じるようになりました。特に一脚の効果はかなりあったはずです。

 この方法が全ての人に向くわけではありませんが、以前の筆者のように「正面は一脚、流し撮りは手持ち」というスタイルの人や、「一脚を使用していなかった」人にぜひ試してもらいたいです。2019年のレースシーズンはもう後半戦、皆さんもサーキットへ行って観戦&撮影しませんか?

奥川浩彦

 メルコ(現:BUFFALO)の広報担当、イーレッツで「線上のメリークリスマス」などを世に送り出し2006年末に広報コンサルティングを行うiPRを起業。海外ベンダーからスタートアップのローンチまで、さまざまな企業の広報を支援。副業はフォトグラファー兼ライター。

 レース初観戦は1981年。F1日本グランプリは1987年から皆勤賞(継続中)。インプレス・Car WatchでF1撮影記「撮ってみましたF1日本グランプリ」などを連載。レースシーズンは本業の傍らフォトグラファーとして、F1、MotoGP、SUPER GT、スーパーフォーミュラなど各地のサーキットを転戦し、レース写真とともにレースの楽しさを伝えている。


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