プロ直伝「サーキット流し撮りがうまくなる」お勧めレース5選:レースフォトグラファー奥川浩彦の「サーキットへ行こう」(5)(1/2 ページ)
例えば「富士SUPER TEC 24時間レース」に行けば、24時間撮りまくれます(笑)。
「流し撮り」をしてみたいと思ったあなた、何はともあれサーキットに行きましょう!
前回、初めての人のための最初の一歩として「流し撮りとシャッター速度の関係」を説明しましたがいかがだったでしょうか。今後もサーキット、レース、撮影機材、撮影のコツなどを不定期に紹介していく予定です。
今回は「流し撮りの上達に良さそうなお勧めレース」を紹介します。
狙い目は「日本7大サーキットで開催されるレース」
日本にはサーキットが意外とたくさんあります。オフロードコースやレーシングカート、走行会が行われる小さな規模のサーキットまで含めるとかなりの数になります。その中で「SUPER GT」や「スーパーフォーミュラ」が開催される規模のサーキットは次の6つです(2019年現在)。
- スポーツランドSUGO(宮城県)
- ツインリンクもてぎ(栃木県)
- 富士スピードウェイ(静岡県)
- 鈴鹿サーキット(三重県)
- 岡山国際サーキット(岡山県)
- オートポリス(大分県)
なお、二輪レースの「全日本ロードレース選手権」は上記の6つから富士スピードウェイが外れ、「筑波サーキット」(茨城県)が加わります。
日本7大サーキットの所在地。さらにこのうち「世界選手権」が開催されるのは、F1が行われる鈴鹿サーキット、世界耐久選手権(WEC)が行われる富士スピードウェイ、MotoGPが行われるツインリンクもてぎの3つ。これらは「日本3大サーキット」と呼んで差し支えないでしょう(国土地理院地図を加工)
これらは「日本7大サーキット」と言えるでしょう。なぜ大きいサーキットを勧めるのか。その理由は「いろいろなかっこいいマシンを撮れる」ことと「決勝レース時間の長さ」にあります。
たくさん撮るならば、7大サーキットの中でも「長いレース」を狙おう!
「流し撮り」上達のコツはとにかく現地へ行って、とにかくたくさん撮って、何より楽しむことです。
撮影ポイントを移動したり、レンズを換えたり、シャッター速度を上げ下げしたりしながら、撮って撮って撮りまくっていると、自然にうまくなってきます。「こんな写真を撮りたい」のイメージと「仕上がった写真」がシンクロしてくると、だんだんと快感になってきます。
でも周回数が10周くらいの短いレースだとあっという間に終わってしまいます。対して何時間も走る耐久レースならばたくさん撮れますし、歩き回ってたくさんの撮影ポイントで撮ることもできます。流し撮り上達の近道は「長いレースへ行く」なのです。
ということで、筆者推奨の「長いレースお勧め5選」は次の通りです。
【1】富士SUPER TEC 24時間レース(5月31日〜6月2日、決勝:6月1〜2日)
「富士SUPER TEC 24時間レース」は日本のカーレースでもっとも長い“24時間"のGTカーレース。2019年は富士スピードウェイで6月1日〜2日に決勝が行われます。
このレースは24時間もやるので、もう存分にガッツリと(笑)。時間的余裕があるので焦らずに何度もチャレンジできるのがよいところです
なお富士スピードウェイはコースサイドにテントを張って泊まることもできますし、車中泊も可能です。夕暮れ、夜間、早朝は普段とは違う雰囲気の写真が撮れるチャンスです。
間近に迫った(2019年5月31日〜6月2日)富士SUPER TEC 24時間レースの前売り観戦券は大人1人4860円(税込、以下同)、大人ペア8750円。当日観戦券は大人1人5800円。駐車券は4輪2000円、2輪1000円。前売り券観戦はローソンチケット、チケットぴあ、セブンチケットで5月31日の深夜まで販売しています(コンビニ発券機で受け取り)。当日券は富士スピードウェイの入場ゲートで買えます。
観戦券以外に、パドックパス、ピットウォーク、キャンプヴィレッジパッケージ(テント付きのキャンプスペース)など、「撮る・楽しむ」のに適しそうなパス、チケットもあります。詳細は富士スピードウェイのサイトで確認してみてください。
【2】鈴鹿10時間耐久レース(8月23〜25日、決勝8月25日)
「鈴鹿10時間耐久レース」は、8月の終盤、鈴鹿の夏を締めくくる「10時間」のGTカー耐久レースです。SUPER GTのGT300クラスのかっこいいマシンも走ります。2019年は8月23〜25日に鈴鹿サーキットで開催。F1チャンピオンのミカ・ハッキネン選手も参戦します。
10時間あれば何がいいのでしょうか。1〜2時間くらいのスプリントレースだと、回れても2コーナーからS字まで、がんばっても逆バンク辺りまで行ったところでレースが終わってしまいます。10時間あれば、2コーナーからS字、逆バンク、ヘアピン、スプーンカーブまで、鈴鹿サーキットの撮影ポイントを「全部回る」ことができます。
10時間……、すごく疲れるはずです(笑)。でも、さまざまなシチュエーションで写りを予想して、意識して設定を変えながら撮りまくれば、上達はすごく早くなります。
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