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「あいさつ代わりに組み手を仕掛け合う」 オリンピックをガチで目指していた人に“あるある”を聞いてきた(レスリング編)(4/4 ページ)

頂点を目指す者たちの世界。

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サウナでエアロバイクは漕ぐな! お兄さんとの約束だぞ

 もうひとつあるあるを思い出しました。サウナでエアロバイクを漕ぐ、です。これはレスリング界あるあるというよりは、私の出身大学のレスリング部あるあるなんですが。

――えっ……? あの熱いサウナルームの中でエアロバイクを?

 しかもサウナスーツを着用した状態で、です。2〜3万円するものなんですが、けっこうスポーティでスタイリッシュなジャージっぽいルックスです。これを着て、エアロバイクをサウナルームに持ち込んで漕ぎますと、それはもうたくさん汗をかけます。もちろん、日常的にやっているわけではなく、計量前のラストスパートで追い込むときの最終手段として、ですが。

――にしても、狂ってる……。

 当然ながらとても危険です。選手らは危険を回避するように細心の注意を払って行っていますが、一般の方は絶対にマネしないでください。

 ただ、僕は今でもサウナに入るのが趣味なんですけど、人が周りにいないとモモ上げとかスクワットをサウナ内でやってしまいますね(笑)。癖なんでしょうか。


レスリング選手の強さは見た目で判断できない

――レスリングに向き不向きはありますか?

 格闘技なので、好戦的というか、血の気が多いほうがいいかな……。手足が長いのは技がかけやすいしリーチが広くなるのでメリット。あ、柔軟性は超大事。体が硬いとすぐケガします。

――マシンを使った筋トレってするんですか? ベンチプレスで何キロ上げるとか。

 いや、あまりしません。機械を使ったものよりも自重トレーニングが多いです。手押し車、天井から垂らした綱を手足で登る、人を抱っこして上げ下げする、あとは懸垂とか。

――単純な腕の太さや筋肉量で勝敗が決まるものではない、と?

 そうです。しなやかで柔らかい筋肉を作るのが重要。太い=強いではありません。細くても強い選手はいるし、その逆もしかり。つまり体格だけで相手の力量は分かりません。言い換えると、見た目に惑わされてはいけないってことですね。経験が浅いと、見た目に圧倒されて気持ちで負けることがありますので。

――男女合同で練習することってあるんですか?

 ふつうにあります。ほかの競技では一般的ではないかもですが、レスリングでは当たり前。女子側にとっては自分よりパワーとリーチがある選手と組むことで外国人対策になります。

――男子側にはメリットはあるんですか?

 テクニックを磨く練習になるんです。女子のほうがスピードがあったり、技のバラエティが多かったりするので、こっちはパワーを抜いて女性に合わせつつ、防御する練習をしたり。ちなみにご想像の通り、試合中はハードに絡み合うことになりますが、当然誰もセクハラとか言いません。そんなことを考えている余裕はなく、100%競技に集中しています。

――どちらにとっても得られるものがある、と。

 最後に、典型的なレスリング部あるあるを思い出したので紹介させてください。部の仲間同士が校内や部室で「よう!」「最近どうだ?」って声を交わすとき、あいさつ代わりに組み手を仕掛け合うのは超あるある。

 片方が腕をとって肩に回してホールドをかけながら「調子どうよ〜?」って言い、もう片方はかけられた技を外しつつ逆に仕掛けながら「絶好調よ〜♪」ってやるかんじ……仲がよい者同士のじゃれ合いっていえばイメージできますかね。レスリング部員だったら激しく同意してくれるはずです。


中山順司(なかやま・じゅんじ)

ロードバイクをこよなく愛するオッサンブロガー。“徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ブログ「サイクルガジェット」運営。Faber Companyの中の人。


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