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【統計学で考える】都市伝説「しゃっくりを100回すると死ぬ」は何秒後に死ぬのか(2/3 ページ)

「首都圏の直下型地震は○○年以内に起こる」などでも使われている計算方法で確率を出してみました。

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97%の確率で死亡するのは……何分後?

 いよいよ計算しましょう。ただし手で計算するのは大変なので、コンピュータにやってもらいます。

 前述の通り、今回の想定では「平均すると100回目のしゃっくりが990秒程度で出る(死ぬ)」ことになっています。手始めに、100回目のしゃっくりが990秒から991秒までの間に起こる確率を計算しましょう。



 なんと、たったの0.4%です。平均とはなんだったのか。もうちょっと範囲を広げて、前後10秒(984〜994秒)の間に死亡する確率を計算しましょう。



 すると4.0%。さっきよりは少し広がりましたね。



 結果はドン、51.3%。「しゃっくりが始まったとき、51%の確率で990秒以内に死ぬ」ということになります。

 では、ほぼ確実に死ぬと言えそうな確率になるのはいつでしょうか? xの値を少しずつ変えて計算してみると、次の式が得られます。



 積分の記号(∫)の上についている数字に注目してください。1190とありますね。これはしゃっくりが始まってから1190秒(19分50秒)以内に死ぬ確率が97%になるという意味です。つまり、もし誰かがしゃっくりを始めたら、あなたはこう言うことができます。

 「お前は97%の確率で、19分50秒以内に死亡する(メガネクイッ)」と。


 今回は、しゃっくりが100回起こるまでの時間を計算してみました。そんなものを計算してどうするんだ……という気がしますが、実はこれ、結構役立っています。

 例えば、テレビなんかで「首都圏の直下型地震は○○年以内に起こる」なんて聞いたことありませんか? 実はこれは、指数分布で計算しています(なので、正確には「○○年以内に起こる確率が△%」などと言わなければなりません)。

 他にも火山の噴火や異常気象など、だいたい同じくらいの間隔で起こる現象が次にいつ起こるか、何回も起こるのは何年後かといった計算は、指数分布やガンマ分布が使えることが多いです。

 もっと身近な例では、バスが来るタイミングや、会社のWebページにアクセスがある間隔、電話がかかってくる時間なんかも、指数分布やガンマ分布に従うと言われています。

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