「メダカ5匹の代金 100円、置いて行きます 7/18」――。高級メダカを盗んだ人物が店舗に置いて行った書置きがTwitter上で物議を醸しています。
盗難被害を告白したのは、新潟県で熱帯魚やメダカやエビなどの生態販売を行うWorld Green Aquarium(@gyorui_net)。「盗難が酷い」の書き出しで始まったツイートでは、「あなた様が価値を勝手に決めないでください。時間、お金、愛情がかかります。あなた様が5匹で100円と付けましたが2万円以上で取引されています」とメダカの盗難被害について明らかにしつつ、「こんな身勝手な人にメダカをもらって欲しくはないですが私が毎日毎日大切に育てたメダカです!最後まで責任を持って立派なメダカにしてな!」と締めくくっています。
このツイートには1枚の画像が添付されており、付せんにボールペンのようなもので、「メダカ5匹の代金 100円、置いて行きます 7/18」と記した書置きがメダカの飼育場所近くに置かれているのが分かります。
またWorld Green Aquariumでは、8月24日にも飼育していたメダカが2ケース分盗まれる被害が発生し、同店は「メダカ盗難の被害が少しでも無くなればいいです!!」とこの事件も公表しました。
盗まれたメダカは人気品種、オーナーを取材
ねとらぼ編集部では盗難被害に遭ったWorld Green Aquariumのオーナーに連絡を取り、メダカの盗難被害についての取材を申し入れました。
――まずメダカ5匹が盗まれた7月の事件について、被害実態などを教えてください。
オーナー:盗まれたのは愛好家に人気が高いメダカです。1匹あたり5000円前後で売買されているので、おおよその被害額は2万円程度です。今のところ犯人の目星はついていません。
――警察へは被害報告しましたか。
オーナー:盗まれた日に近所の交番へ行きましたが、その日は警察官が駐在していなかったので、交番内に設置された電話から警察署への通報を行いました。通報時はすごく憤りを感じていたのですが、書き置きの字の感じであったり、メダカを飼育している場所の立地であったりを考えると、「犯人は年配者なのでは」と思うようになり、「もしメダカを盗んだことが原因で犯人の家庭が崩壊してしまったら……」という思いも出てきて、現状は被害届の提出を保留している状況です。
――盗まれたメダカはどういう状況で飼育していたのでしょうか。
オーナー:私たちは店舗を持っているわけではなく、インターネット上での販売が主なので倉庫のような場所でメダカを飼育しています。スタッフも「魚が好きだから」と本業の傍ら手伝ってくれている人や近所にある動物系の専門学校に通う学生などなので、飼育場所に人が常駐しているわけではありません。
――これまでにもメダカの盗難被害はあったのでしょうか。
オーナー:1ケースに20〜40匹程度入れて飼育していることもあり、毎日個体数を数えるわけではないのですが、メダカが居なくなるということはこれまでにもありました。ただ、猫であったり、鳥であったりが命をつなぐためにメダカを獲ることはあるだろうと思っていたので、スタッフもそう考えていました。今回は書き置きがあったことから明らかに人間の仕業だと分かり、残念に思っています。
――8月24日にも2ケース分のメダカが盗まれてしまったとツイートされていましたね。
オーナー:2ケース分のメダカ約40匹が突然いなくなっていたんです。ケースが残されていて、メダカだけいないという状況でした。
――ということは、犯人は事前にメダカを持ち帰る容器などを用意していたということですね。
オーナー:そうだと思います。酸素パッキンが必要な金魚などと違い、メダカは酸素量をあまり必要としない魚なので、輸送がしやすい魚として知られています。ですから素人でもビニール袋などを準備してくれば持ち去ることはできたのではないかと思います。
――ケースごと盗まれたメダカはどういった品種のものだったのでしょうか。
オーナー:「紅白ラメ」と呼ばれるもので、赤と白の体色にラメが入っている品種です。時期にもよりますが、1ペアで1万円〜1万5000円程度で流通しています。メダカにもいくつかの販売方法があって、卵の段階で販売するもの、ふ化させてから1〜2週間で販売するもの、選別して残ったものを育てて販売するものなどがあります。今回盗まれたのは、数回選別をしたものだったので、これから育てていこうと厳選した個体たちでした。
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