ヤマト運輸は9月4日、消費税率引き上げに伴い10月1日から改定する新運賃・料金を発表しました。税率引き上げ分を転嫁することで税込運賃・料金は値上げになりますが、現金運賃より基本的に安くなる「キャッシュレス決済運賃」を新設定するほか、「デジタル割」の割引額を拡大するなどし、キャッシュレス化に向けた取り組みを進めるとしています。
新運賃・料金では、現行の基本運賃は据え置きますが、(1)現行運賃(税別)に消費税率10%を乗じ、1円単位を切り上げた10円単位とする「現金決済運賃」、(2)現行運賃(税別)に消費税率10%を乗じた1円単位の「キャッシュレス決済運賃」──の2種類を設定します。
例えば東京都から愛知県に60サイズの宅急便を送った場合、現行では907円(8%税込)ですが、10月1日以降の新運賃では、現金の場合は930円(10%税込)、キャッシュレスの場合は924円(10%税込)となり、キャッシュレスのほうが安くなります。ただ、着払いの場合は現金決済運賃が適用されるとのことです。
現金決済を10円単位、キャッシュレス決済を1円単位とすることで、多くの場合でキャッシュレスのほうが安くなりそうです。現金決済を10円単位としたのは「1円単位の小銭の取り扱いに発生する手間や煩わしさを軽減するため」と説明しています。
キャッシュレス決済運賃は、(1)直営店への持ち込みか、ドライバー集荷で宅急便を発送する際に「クロネコメンバー割」、電子マネーを利用して運賃を支払う場合、(2)9月3日にスタートした「宅急便はスマホで送れる。」の決済手段である「Apple Pay」「クロネコペイ」「キャリア決済(ドコモ払い、auかんたん決済/auWALLET)」を利用して支払う場合──に適用されます。
また、「デジタル割」の割引額を現行の50円から60円に拡大します。デジタル割は、店頭端末「ネコピット」などで発行したデジタル送り状を利用し、直営店持ちこみかドライバー集荷で発送する場合や、「宅急便はスマホで送れる。」を利用して宅急便を発送する場合に適用します。
「宅急便はスマホで送れる。」は送り状作成から運賃支払いまでスマホで完結する新サービス。ヤマト運輸の直営店(全国約4000カ所)に加え、今後セブン-イレブンとファミリーマートの計約3万9000カ所で順次対応する計画です。同サービスを利用すると、キャッシュレス決済運賃とデジタル割が適用されるため、通常に比べ割安に荷物を送れることになります。
このほか、独自のプリペイド型電子マネー「クロネコメンバー割」の1回当たりのチャージ下限金額を現行の5000円から3000円に引き下げ、割引幅の大きい(10〜15%)クロネコメンバー割を利用しやすくするほか、全国約4000カ所の宅急便センターを指定して受け取る場合に適用される「宅急便センター受け取りサービス」の割引額を現行の54円から60円に拡大します。
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