お店のレジでの支払いの際、キャッシュレス決済なら現金支払いより16秒速い──こんな実証実験の結果をJCBが発表しました。消費者がキャッシュレスに移行すれば、消費者の時間のムダも減らせる上、店舗スタッフの労働時間も減少する可能性があるとしています。
実験は7月に実施。参加者100人を25人ずつ現金と、クレジットカード、非接触型(QUICPay)、QRコードの4方法に分け、「レジ担当者の金額口頭提示」から「商品・レシートのお渡し」までを1会計として、かかった時間を計測しました。
その結果、(1)現金は平均28秒、(2)クレジットカードは平均12秒、(3)非接触型は平均8秒、(4)QRコードは平均17秒──だったとのことです。
キャッシュレスの3方法の平均は12秒で、現金と比べ16秒速い結果になりました。最も速い非接触型では現金と20秒の差を付けています。
この結果をもとに、買い物をキャッシュレス決済に完全に移行した場合に節約できる時間は年間で約3時間と試算しています。
計算は以下の通り。
現金とキャッシュレス決済速度の差(16秒)×日本人の1当たりの平均買物回数(1.7回)×365日=9928秒=2.8時間≒3時間
また、コンビニエンスストアのレジ担当者の労働量について試算したところ、お客の半数がキャッシュレスで支払いをすればレジ担当者1人当たりの労働時間は約2時間減少し、お客全員がキャッシュレスで支払えば約4時間減少するとしています。
計算は以下の通り。
1日当たりのコンビニエンスストア来店数(848人)×現金とキャッシュレスの決済速度の差(16秒)=1万3568秒→3.8 時間≒4時間
キャッシュレス決済への移行が進めば社会の効率化が進みそうですが、別の調査ではキャッシュレス決済を使わない理由として「使い過ぎてしまいそう」「仕組みをよく知らない」といった声が上がっています(関連記事)。「7pay」で不正利用が相次いだ騒動も記憶に新しいところで、普及には消費者が安心して利用できる環境作りも重要になりそうです。
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