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「アーーーーー」は監督のアドリブだった!? (たぶん)世界に1人だけの実写版デビルマン研究家にインタビュー(2/2 ページ)

資料集めに10万円。

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――これまでの研究で実写版デビルマンを語る上での大発見はありましたか?

 田んぼで「アーーーーー」と叫ぶシーンは、脚本には無い(というか脚本の指示と真逆)おそらく監督のアドリブであること

「アーーーーー」とは……
育ての父(宇崎竜童)に主人公がデビルマンであるとバレてしまったシーンで発せられる謎の奇声のこと。実写版デビルマンで最も有名なシーンとされている。


 デーモンの集団が建物の出入口からワラワラ出てきて一方的に射殺されるシーンにはちゃんと理由があったこと


 主演2人のインタビュー等における生意気な態度は、自発的なものではなく恐らく所属事務所の指示だったこと

 大発見といえるほどのものかは分かりませんが、このあたりは本編映像を見ただけでは分からない事だと思います。


――一番好き・嫌いなシーンはどこでしょうか?

 好きなシーンは……、アポカリプスデブのシーンですかね。

アポカリプスデブとは……
タンクトップを着た巨漢3人組の通称。実写版オリジナルキャラクターで出番は短いが見た者に強烈な印象を残す。上映時間のちょうど中間地点で登場するため残り時間を計る目安としても使われる。

 あの20秒だけは「那須博之監督の実写版デビルマン」でしか見られない、撮られない映像だと思うので。


 嫌いというか残念に思っているシーンは、明が美樹を守る為にデビルマンに変身してから連行されるまでのシークエンスですね。脚本ではスピード感・緊迫感のあるシーンなんですが映像だと変に間延びした感じになってしまっているので……。


――那須監督は実写版デビルマン公開後亡くなってしまいましたが、監督に話が聞けるとしたら何を聞きますか?

 明が牛久を探すときに顔を海面に「バチャーン」とつけるシーンの意図を聞きたいですね。あのシーンだけは本当に意味が分からないので。あとは大量にあるという本編未使用のお蔵入り映像を見せて頂きたいです。


――ではネット上の実写版デビルマンの感想を見て思うことはありますか?

 どの感想も楽しく眺めていますが「CGもPS2以下の低レベル」という意見だけはムッときますね。独特の手法で作られたCGだから好みに合わないということはあるだろうけど、2004年当時のクオリティーで考えれば邦画トップクラスですから。

実写版デビルマンに用いられた特撮技術は「T-Visual」と呼ばれ、東映と東映アニメーションがタッグを組み、CG・実写・ミニチュアなどを高度に組み合わせて作られたものだった。



「宇宙船」2004年11月号より

――冒頭で「実デビの“地位”は揺るがない」と仰っていましたが、これまでで地位を揺るがしかけた作品はありましたか?

 実デビよりつまらなく感じた作品、見るのが苦痛だった作品はいくつもありますが、地位を揺るがすような作品はありません。オンリーワンの特殊さがあるからこそ、いまだに連綿と語り継がれているのだと思います。


――実写版デビルマンは深い、ということですか?

 一見して分からない事が多過ぎるだけで、深くはないです。


――最後に実写版デビルマン未見の人に向けて、メッセージを。

 見ようかどうか迷っているなら、ぜひ見てほしいです。

 見てほしいですが、1人で見るのではなく他の人(できれば視聴済みの人)と一緒にキャッキャしながら見ることをおすすめします。最近はSNSを介して「同時視聴会」が催される事もあるので、そういった機会を利用すれば楽しんで見られるかと思います。




 以上、実写版デビルマン研究家インタビューでした。

 なおグレイト斎藤さんによる実写版デビルマンの研究結果はTogetterに詳しくまとまっているので、実デビ未見の人も既に見たという人も興味のある方はぜひ一度読んでみてください。実写版デビルマンに対する考え方が変わるかもしれません。

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