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生理をオープンに――大丸梅田店「生理バッジ」に批判も 担当者に試験導入の理由を聞いた

「生理であることをオープンにすることでポジティブな動きがみられるのではないか」。

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 大丸梅田店(大阪市)が11月22日にオープンした新ゾーン「michi kake(ミチカケ)」で試験導入されている「生理バッジ」を巡って、SNSで批判が寄せられています。ミチカケPR事務局の担当者に「生理バッジ」の狙いを取材しました。

「生理バッジ」に批判も

 michi kakeは、女性の性、生理、体のリズムなどに寄り添うことを目指した売り場。女性をターゲットとしたファッションアイテムやコスメの他、 女性特有の悩みにも応える商品としてサプリや漢方、下着や生理用品、irohaなどのセルフプレジャーアイテムもそろえます。

 21日にプレス内覧会が行われ、WWD JAPANが「女性の性と生理にフォーカスした新売り場を大丸梅田店がオープン スタッフの“生理バッジ”も導入」と報じると、Twitterで話題に。フロアコンセプトや月経カップなどのラインアップを評価する声が上がる一方で、「女性の性をオープンにという試みはいいことだと思うけど生理中かどうかを公共の場で明示する必要はあるのか」「客が商品を購入するのに必要な情報なのか」「プライバシーの侵害」といった批判も寄せられています。

 生理バッジとは、生理中(月経中)であることを社員が示せる、服に付けるプレート。通常のmichi kakeフロアをアピールするプレートとリバーシブルになっており、裏返すと生理バッジとして使えます。小山健さんの漫画「ツキイチ!生理ちゃん」とコラボレーションしており、キャラクター「生理ちゃん」がモチーフになっています。

生理バッジ
通常のプレート(michi kakeフロアのオープンをアピールするデザイン)
生理バッジ
生理バッジとして使っている状態(リバーシブル仕様)

 生理バッジはどのようにして生まれたのか。ミチカケPR事務局の担当者によると、michi kakeをつくるにあたり大丸社内で意見を出し合う中で、「生理であることをオープンにすることでポジティブな動きがみられるのではないか(他者からの気使い・心使い)」という話が上がり、女性のリズムに寄り添うmichi kakeフロアから試験的な運用を始めることにしたといいます。

 生理バッジの主目的は社内コミュニケーション。「生理バッジをつけ、仕事をしていく上で生理であることをオープンにすることによって、(店員間で)気使うコミュケーションができるようにするため」といいます。また、21日のプレス内覧会で行われたハイヒールモモコさんらが登壇したトークセッションでは、「(自分が客だったら)お互い生理だと仲間意識が湧くと思う」といった、客とのコミュニケーションにもつながるのではないかという声も上がっていました。

 バッジをつけるかつけないかはテナントや社員それぞれの任意となっており、強制ではないとのこと。21日のプレス内覧会では、「一部の店員が自主的につけていた」と話します。SNSでの批判の声は届いているといい、「生理バッジ自体、試験的に運用しているもので今後の使用に関しては現在検討中でございます」としています。

タブー視されてきた生理

 フロアのオープンに先駆け、10月15日に公開された「ツキイチ!生理ちゃん」の19話は、大丸百貨店をモデルにした「大春百貨店」が舞台。販売促進部の女性社員が「生理のときはこのピンバッジを胸につけることを提案します」「マタニティマークみたいなものですがつけることは強制しません」と話すところから始まります。

 漫画内では、進んでつけてみる人、「生理を悟られるのはプロ失格」と拒む人、「更年期バッジはないの?」と尋ねる人、悩む人……とさまざまな反応が描かれます。取り組みがSNSやテレビなどで取り上げられ、賛否両論の議論を呼ぶ中で、社員の間で少し変化が起きる――というストーリー。最後に「今回の『生理ちゃん』は株式会社大丸松坂屋百貨店への取材をもとにしたフィクションです」と結ばれています。

 michi kakeのWebサイトでは、フロアオープンへの思いを以下のようにつづっています。

 「日本では、女性の性や生理は『隠すべきこと』『恥ずかしいこと』とされてきました。そのため、必ずしも肯定的な反応ばかりではないことを覚悟しています。しかし一方で、話しにくい悩みだからこそ、相談できる場を必要としている方が多くおられます。そういったお客様にも『“常に”寄り添いたい』『少しでも心を軽くしてほしい』との想いで、タブー視されてきたジャンルにも向き合って、この新しいゾーンを作ります」

 生理や生理用品は日本ではまだタブー意識が強い一方で、新しい流れが生まれているトピック。生理用品を購入すると黒い袋や紙袋で包まれることからスタートしたプロジェクト「#NoBagForMe(ノーバッグフォーミー/袋いりません)」は、「生理・生理用品について気兼ねなく話せる世の中の実現」を願い、ソフィの生理用品の新デザインを企画し話題を呼びましたが、「隠す袋はやはり欲しい」といった声も上がっています。また、大王製紙は生理用品ブランド「エリス Megami素肌のきもち」のシンプルなデザインをLOHACO限定で販売し、「定番化してほしい」と支持されています。

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