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学校に生徒の個人情報は守れるのか 現役中学教員が語る「PCが数台しかない職員室」「私物PC持ち込みは暗黙の了解」(2/3 ページ)

先生だけど、学校のルールを守っていたら「仕事が終わらない」「日付がまわっても帰れない」。

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生徒用タブレットPCを導入しても、“古さ”が抜けない学校の体質



―― 話を聞いていて思うんだけど、いろいろと“古い”よね。PCが人数分ないとか、校舎がボロボロだとか、新しい備品が買えないだとか……

A:“古い”系でいうと、教室にネット環境がない学校とか? 「調べ学習のために生徒全員にタブレットPCを持たせてるけど、ネットで調べ物するときはPC室に移動してそこのPCを使わないとダメ」という風に、おかしなことになる。

B:今求められてる「情報リテラシー」「生きる力」「調べる力」とかを考えたら、ちゃんとやるべきところだと思うんだけどね。

A:自宅は月額数千円でできるんだから、教室でWi-Fi使えるようにしたってそんな高額にはならない気がするんだけどね。全校生徒が一斉にアクセスできるようにするのはアレかもだけど、プールみたいに各クラスが順番に使えるようにするくらいはさ。

 でも、そういう予算は取らないんだよね、「必要がない」とかいって。そんなこんなで、せっかくのタブレットPCが写真撮影、パワポ作成くらいにしか使えなくなっちゃう。

修学旅行をやる意味はもうない?

A:古いというか「時代遅れだからもうやらなくていいんじゃない?」と思うのは修学旅行。時代的に、やる意味が薄れてる。

―― そもそも修学旅行って、何でやってたの?

A:例えば、昔、日本が貧しかった時代には「修学旅行=人生初の旅行」という人も多くて、「旅行を経験させる」という意味合いがあったらしい。「地元から全く出ない」「電車に全く乗らない」みたいな生き方が普通だったころは必要だったのかもしれないけど、今はそういうご時世ではないでしょ。

 家庭の事情なんかもあるから一概には言えないけど、人によっては就学前からハワイだのなんだのと行ってて。現代の日本で「学校で旅行を経験させる意義とは何なのか」というのは、考え直していいと思う。

―― 今だったら「公共交通機関を使う」「集団行動を体験させる」みたいな狙いもあるんじゃない?

A:それも微妙なんだよ。5年くらい前かな、インバウンド需要が高まって「爆買い」が流行語大賞に入ったころから観光地は外国人がスゴくて。京都なんて人が多過ぎて、生徒たちがバスに乗れないわけ。

 計画通りに行かず、帰りが夜中になってしまうと危険だから、今の修学旅行はタクシー移動だよ。運転手さんに「次は清水寺」「次は銀閣寺」と連れていってもらって、ついでに簡単に案内してもらうスタイルが流行ってる。タクシーの運転手さんにおまかせできるなら、教員側も安心だしね。

―― ごめん、普通に「今の子、うらやましいなあ」と思ってしまった

A:だよね(笑)。でも、もはやただのグループ旅行でしょ。学校でやる意味なくない?

(続く)

※本企画は、現役教員の声をそのまま記事化したものです。実際の労働環境などは自治体、学校などによって異なる可能性があります。

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