【あなたの仕事のグチ、聞かせてください】スーパーの総菜部門で働く女性が東日本大震災で感じた“仕事のやりがいと理不尽”(1/3 ページ)
“隠れ被災”したある地域のスーパーのお話を伺いました。
「仕事は楽しいことばかりではない」というのは誰もが知っていること。ですが、業界や職場によってその“楽しくないこと”はマチマチ。外側からは見えない、知られざる苦労も多いことでしょう。
さまざまな職業の方に取材する連載企画「あなたの仕事のグチ、聞かせてください」。今回は、スーパーの総菜部門で働いていたというZさんにお話を伺いました。
スーパーのお総菜部門で5年間働いていたというZさん
―― スーパーで働き始めたきっかけは?
もともと都内でライターなどをやりたいと思っていたのですが、仕事がなかなか見つからなかったため、地元(東日本のある都道府県)に戻りました。生活のために働く必要があったんですが、地方ということもあり就職先が少なくて。
工場の募集は多かったんですけど、女性は採用されにくかったので、その地域の大きなスーパーで正社員として働き始めました。そこでは高卒の女性はチェッカー(レジ打ち)、大卒の女性はお総菜、男性は……とだいたい決まっていて、私はお総菜部門に。
―― 出勤時間など働き方は?
出勤は朝8時。お総菜を作ったり、客入りに合わせて商品を出したり、パートさんの様子を見たり、人数が足りないところに入ったり……そうこうしているうちに1日が終わる感じです。その後、発注業務などがあり、終わるのは21〜22時くらい。
5年くらい働いていたのですが、あるとき「残業やめようね」という流れになり、それ以降、出勤が1時遅くなりました。でも、仕事が終わる時間はあまり変わりませんでしたね。
―― それだと、まだ残業してますよね
仕事量は変わらないし、なんだったら増えていきますから。そこはサビ残です。一応、事前に申告すれば、1日1〜2時間くらい残業がつけられることになってたんですが、あれダメこれダメで結局、残業代がつかなかったり。
労働時間的に特にツラかったのは、恵方巻のとき。深夜2時に出社していました。恵方巻がたくさん出るスーパーだったので、そんな時間からお米を炊いていたんです。
他部門からも応援に来てくれるんですが、私はそのために段取りする必要があって。
―― 人員が増えても、忙しいことには変わりないわけですか
1時間まるまる休めるタイミングもなくて、30〜45分くらい? またどこかで10分くらい休めればいいかな、という感じ。
それで、仕事が終わるのは“9時”とか。
―― 朝の9時?
いえ、夜の9時(21時)です。時計でいうと、短針が一周したあとの2回目の9時。
恵方巻に限らず、季節のイベントがあるときは大変でしたね。
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