育て屋の前をチャリで往復する時代は終わった? ポケモンガチ勢が語る「過酷すぎた過去作の育成」と「新世代のポケモン育成」:芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」(2/4 ページ)
カブトの厳選に28時間かけたポケモン廃人が語る。
僕は「カブト」ですね。特性「すいすい」が欲しかったんですが、もう1つの特性「カブトアーマー」ばっかり出たり、個体値も全然遺伝してくれなかったりと、引きが弱すぎて、28時間ぶっ通しで厳選してました。
えぇ……。
納得のいく成果ではあったので達成感はありましたが、それでも「3V」で完璧な個体ではなかったですから。
ごめん。俺、絶対やりたくないわ。
まぁそうなっちゃいますよね。当時のポケモンガチ勢は本当にこういうことをやっていたので、「ポケモン対戦はハードルが高い」というイメージを持たれるのも仕方のないことでした。ところが、「ソード・シールド」ではこの育成環境が大幅に改善され、かなり簡単に理想個体を作れるようになったんです。
簡単に……?
「マックスレイドバトル」で育成が簡単に
最初のポイントになるのは今作から始まった「マックスレイドバトル」。これによって厳選がとても簡単になっているんです。
あ〜。でっかいポケモンと戦うやつ?
そうです。レイドバトルで出現するポケモンは星1〜5のランクがあり、星の数が多いほど強いモンスターとなっています。そして、星の数が多いほど高い個体値のポケモンが出やすく、星5のポケモンは4つのステータスの個体値が最高、つまり「4V」が確定しているんです。
えっ……カブトに28時間かけて3Vだったのに?
今作では一瞬で4Vです。
(笑)
今は親の個体値を5つ遺伝させる「あかいいと」というアイテムがあるので、高い個体値の親から厳選を始められるのは本当に楽なんです。もちろん狙った能力の個体値が「V」になるとは限りませんが、マックスレイドバトルにはメタモンも出現するので、比較的簡単に4V以上のメタモンをゲットできるのも厳選を簡略化できた一因になっていますね。
あ、なんか強いメタモンが重宝されるってのは聞いたことある。
メタモンは相手のオスメスを問わず、タマゴを産むことができるポケモンと一緒に預ければタマゴを作ることができるというポケモンなんです。つまり、マックスレイドバトルで捕まえた高個体値のメタモンに「あかいいと」を持たせて、自分が育成したいポケモンのタマゴを作れば簡単に高個体値のポケモンが産まれてくるんです。今は親の性格を確実に遺伝させるアイテムもあるので、性格の厳選もかなり楽になりましたね。
へぇー。強いポケモンが出すのが簡単になったと。
そうですね。それと今は生まれたポケモンの性格や特性を変えられるアイテムもありますし、個体値を鍛えるアイテムもありますから厳選はかなり簡単になりました。手間はかかりますが最初に選んだポケモンを対人戦向けに育成しなおすことも可能ですね。努力値に関してもアイテムで適正な最大値まで一気に振ることができるようになっています。
なるほど、昔よりはかなり育成しやすくなったってことね。
今は「育成無し」でもポケモンバトルができる
……で、昔と比較して楽になったのは分かったけど、今はどれくらいの時間がかかるの?
それでも1体あたり2、3時間はザラですね。厳選が簡単になったことによって理想個体を作ることが前提になってしまい、逆に妥協できなくなっているんです。
あ〜……楽になったとはいっても、まだやっぱめんどいのね……。
僕はもう厳選を楽しめているんで全然苦じゃないんですけど、「厳選とか育成とか面倒だなあ……」という人にはレンタルパーティがオススメです。
レンタルパーティ?
全世界のトレーナーたちが善意でアップロードしてくれた、育成も厳選も終わっている「完成したパーティ」でネット対戦ができるというシステムです。これは第7世代で解禁されたシステムなんですが、これによって初心者でも強いトレーナーのパーティを借りて手軽にバトルが楽しめるようになりました。
えっ……じゃあ全然厳選しなくてもいきなりポケモンバトルできちゃうってこと……?
そうです。例えば「レンタルパーティ」でTwitter検索すると多くのトレーナーがパーティのコードを紹介していますから、探すのも簡単だと思います。中には「マスターボール級到達パーティ」など、強いトレーナーの実績のあるパーティが公開されていたりしますから、むしろ最初はレンタルパーティのほうが勝てるかもしれないですね。
すごい。でもデメリットはないの?
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