育て屋の前をチャリで往復する時代は終わった? ポケモンガチ勢が語る「過酷すぎた過去作の育成」と「新世代のポケモン育成」:芸人ヤマクエの「俺のゲーム愛を笑うな」(3/4 ページ)
カブトの厳選に28時間かけたポケモン廃人が語る。
能力値が劣ったりすることはないんですが、レンタルしたパーティは実際に自分のものになるわけではなく、そのパーティで対戦ができるというだけなので、1体だけポケモンを入れ替えたりアイテムを持ち替えたり技構成を変えることはできません。
ああ、なるほど。何から使えばいいかも分からない初心者にはすごく便利だけど、かゆいところに手が届かないこともあるってことか。
その通りです。対戦しているうちに「自分はこのポケモンうまく扱えないな」とか「あのポケモンこんなに強いんだ! 使いたい!」という発見があっても思い通りにはできないんです。そうなるとやはり、厳選・育成をして自分のパーティを作る必要性が出てくるというわけですね。
でも、その都度レンタルしまくれば勝てるようになるんじゃないの?
それも1つの方法ですが、レンタルで公開されているパーティーは「誰かが過去に使って強かったパーティ」がほとんどなので注意が必要です。今は強いポケモンの情報が公開されるたびに流行が変わり、新たな環境が作られていく状態なので、上級者の方がSNSなどにアップしたパーティはその後も通用し続けているとは限りません。もちろん、決して弱いパーティーではないですけどね。
なるほどなー。よくできてるわ。
なので、まずはレンタルで対戦を始めてみて、ランクバトル楽しいなと感じた方にはぜひ厳選をして、自分の手でパーティを作ってみてほしいんです。なぜなら、今作は対戦がめちゃくちゃ面白いんですよ。
ほう……?
「ソード・シールド」のポケモンバトルが面白い理由
「ソード・シールド」のポケモンバトルはこれまでと何が違うの?
まず、今作では前回の授業でお勧めした「カプ・テテフ」などといったレーティングバトルで使える伝説級のポケモン、いわゆる「準伝説ポケモン」がいません。つまり、飛び抜けた強さのポケモンがほとんどいなくなったんです。
と、言うと?
かなり対戦環境が混沌としています。今までは強いポケモンというのがある程度固定されていたので、パーティが似たり寄ったりでした。でも今は毎日のように流行が変わっていて、数多くのポケモンが活躍できるようになっています。
なるほど、幅が広がったわけだ。
また、今作から追加された「ダイマックス」も対戦環境に大きな影響を与えてます。これは3ターンの間HPを大幅に増強しつつ、強力かつ必中のダイマックス技を使えるようになるというもので……。
あー、前作まであった「メガシンカ」みたいなやつ?
「メガシンカ」は1度進化すればその対戦中はずっとメガシンカ状態でしたが、ダイマックスは3ターンの間、戦闘に出ている間だけ、という限定されたものです。しかし、対応するメガストーンを持たせなければいけなかったメガシンカに対し、特有のアイテムを持たせる必要もなく、ランクバトルで使用できるポケモン全てがダイマックスできるという違いもあります。
全部のポケモンが使えるっていうのはいいね。
これによって大幅に強化されたポケモンはたくさんいるんです。例えば……「アイアント」がそうですね。
全く聞いたことないけど、ダイマックスすると強いの?
アイアントは攻撃、防御、素早さの種族値が高いのですが、他の値がとても低いというポケモンです。タイプは「虫・鋼」なので弱点は炎だけという恵まれた耐性を持っていますが、特防が低すぎるので普通の特殊攻撃で瀕死になることも多く、特性が使いにくいものだったということもあってシングルバトルではあまり見かけることはありませんでした。ただ、今作ではこの特性がダイマックスととても相性が良いんです。
どんな特性なの?
HPが3分の1以下になった時にむしタイプの技が1.5倍になる「むしのしらせ」、物理攻撃が1.5倍になる代わりに命中率が下がる「はりきり」、そして隠れ特性として2ターンに1回技が使えなくなる「なまけ」の3つです。
この前聞いた「ミミッキュ」とか「ゲッコウガ」の特性と比べて、やってもない俺でも分かるくらい弱い気がする。特に「なまけ」。
まあ「なまけ」はよほど特殊な戦術でないと役に立たないので論外として、この「はりきり」という特性がダイマックスによって非常に強化されました。先ほども言ったようにダイマックス技は「必中」なので、命中率の影響を受けないのですが、それでも「はりきり」の対象になるんです。つまり、「はりきり」を持ったアイアントがダイマックス状態になるとデメリットもなく物理攻撃力1.5倍の状態でダイマックス技で攻撃できます。
え〜! 分かりやすく強い!
さらに、本来低かったHPも増強されるので、高い防御のおかげで、場に長持ちしやすくなりました。
その代わり3ターンで戻っちゃう、ってことね。
そういうことです。短い間ですが、3対3のシングルバトルにおいて3ターンというのは非常に重要です。短いターン数で速攻を決めようと思ったらうってつけの存在ですね。
逆にその3ターン耐えられたらキツくなるってことね。
そうです。今作では「ダイマックス」をいつどのポケモンに使うのか、という駆け引きも面白いんです。
やっぱ奥深えー! ポケモン!
ダイマックスの影響はアイテムにも
また同じように、ダイマックスのおかげで流行しているのが「じゃくてんほけん」というアイテムです。
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