「えっ、もう引退!?」 まだ4年、JR東のリゾート列車「伊豆クレイル」ラストランに驚きの声(1/2 ページ)
2020年6月28日ラストラン。ならば乗りたいレアなやつ「伊豆クレイルBOX号」はご存じですか?
え、もう引退? まだ4年なのに──? 東日本旅客鉄道(JR東日本)が、小田原〜伊豆急下田駅間で運行する観光列車「伊豆クレイル」の運行を2020年6月28日で終了すると告知しました。
伊豆クレイルは、女性を主ターゲットに据えて2016年7月に登場した伊豆方面リゾート列車。伊豆の海がよく見えるように配置した2人用座席やコンパートメント席を用意し、車内でランチやアフタヌーンティー、ワインを楽しめます。「食べて、おしゃべりして過ごす。大人のリゾート列車」と銘打ったサービスが特徴です。
車両は「651系1000番台」。常磐線の特急スーパーひたち号で活躍したあと、特急草津号でも使われました。伊豆クレイルはデビュー当時、これまでの651系の真っ白な車体から、花柄模様が入ったピンクと白の車体に変身したことでも話題となりました。
ネットでは、登場から4年という早すぎる引退に驚きの声が上がっています。651系については他の路線へ再転用する期待が上がる一方で、他の651系の廃車が進行していることから、そもそもの先行きに不安を感じている人もいるようです。
伊豆クレイルは元スーパーひたち用の車両ということで、3月14日の常磐線全線運転再開(関連記事)に合わせて古巣への復帰も期待したいのですが、取手以北の交流電化区間に対応した機器が撤去されてしまっています。再改造を行わない限りは残念ながら実現できない状況です。
ラストランは6月28日 引退前に「JR相模線に入線」するレア運行をチェック!
伊豆クレイルのラストランは2020年6月28日。この日は、通常のダイヤで小田原〜伊豆急下田駅間を一往復します。一般乗車券での販売はなく、全席旅行商品として2020年5月中順に発売予定。食事は「これまでの料理メニューから特に人気が高かったもの」が出ます。またラストランだけは、通常運転時はグリーン車指定席として買える4号車も旅行商品としての販売のみになります。
引退を前に、2020年4月4日限定で橋本駅から「JR相模線を経由」して伊豆急下田駅まで行く特別運行も予定します。
こちら鉄道ファン目線では、相模線を使う臨時列車は珍しく、かつ651系電車も初入線するなかなか貴重な運行です。伊豆クレイル1号(往路)+踊り子号および踊り子号+伊豆クレイル2号(復路)の往復日帰りコースと伊豆クレイル1号ないし2号の片道乗車コースを用意します。びゅうトラベルサービスツアーが販売する旅行商品として、2月下旬発売予定です。
「どうせならば乗りたい!」 そんな人お勧め「伊豆クレイルBOX号」はいかが?
そんな、引退が決まってしまった伊豆クレイル。ぜひグループで乗りたいけれど、食事付きツアーは少し手が届かない……という人にお勧めなのがグリーン車指定席にあるボックス席です。みどりの窓口で買えます(ただ、えきねっとなどのネット予約サービスでは買えません)。
伊豆クレイルの4号車はグリーン車指定席として販売されています。通常の乗車券とグリーン車指定席券で乗れます。その中でもボックス席は大きなテーブルが設置してある席。旅行商品にある食事は付きませんが、特別な列車、リゾート特急の気分を普通に味わえます。車内の売店カウンターやラウンジも利用できます。
そして、このグリーン車指定席のボックス席は、指定席券に記載される列車名が「伊豆クレイルBOX号」という表記になります。違う列車のようですが、乗るのは同じ伊豆クレイル号です。何で違うんでしょう……。こんな不思議なきっぷ、収集鉄には見逃せません。
ちなみに伊豆下田方面には、2020年3月に新宿または東京〜伊豆急下田駅間で「サフィール踊り子」号がデビューします(関連記事)。サフィール踊り子号に設置する個室グリーン車や軽食の提供サービスなどは、伊豆クレイル号が作った基礎があったおかげで実現したのだと思っています。
伊豆クレイル号は2020年3月まで毎週末に1往復運転。伊豆クレイル、まだ乗っていない人はこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。
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