お帰り「ひたち」! 何が変わる? 何が新しくなる? 常磐線全線再開の注目点を鉄道ファン目線でピックアップ(1/2 ページ)
3月14日に常磐線全線再開。新たな名シーン誕生にも期待なのです!
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、東日本大震災の影響で見合わせている常磐線の富岡〜浪江駅間の運転を2020年3月14日に再開すると発表しました。これにより、常磐線は全線で運転を再開します。
2011年3月に発生した東日本大震災と原発事故で、常磐線は不通区間が最大100キロ以上にのぼる甚大な被害を受けました。これまで駅舎の改築や新築、まちづくりと復興に併せた線路の移設、除染作業の実施などを含む大規模な復旧作業を順次行ってきました。今回の再開は、福島県富岡町、大熊町および双葉町に設定された帰還困難区域の一部(特定復興再生拠点区域内の先行解除エリア)で避難指示が解除される日が決定したことに応じ、例年の春のダイヤ改正日(関連記事)に合わせて決まりました。
全線運転再開とともに、品川〜いわき間で運行する特急「ひたち」号も、3往復の運転区間が「品川ないし上野〜仙台間」に拡大します。「仙台直通ひたち」の誕生、品川駅と仙台駅を結ぶ定期特急列車の設定は初です。
Suicaエリアと大都市近郊区間が拡大 利用区間と途中下車は少し注意を
同日、「Suicaの利用可能エリアが拡大」します。いわき〜浪江間は東京エリアに、小高〜原ノ町間は仙台エリアに新たに組み込まれます。
Suicaエリアの拡大によって、大都市近郊区間の東京近郊区間と仙台近郊区間も広がります。こちらについては、Suicaを利用できる駅が新たに15駅増え、実際に乗車する経路にかかわらず最も安くなる経路で計算した運賃となります。その一方で、東京エリアと仙台エリアをまたいでの利用はできず、また大都市近郊区間内の乗車券では距離に関わらず途中下車ができなくなるので「乗り」の人などは少し注意が必要です。
新たな名シーン誕生の予感! 一方で往年の名車がついに引退?
車両も変わります。仙台まで延伸するひたち号には、常磐線の特急で運用中の「E657系」が充てられます。普通列車は富岡駅まで運用中のE531系が原ノ町まで運用区間を拡大します。
ファンとして楽しみな見どころは、新たにひたち号が通過する「新地駅の付近」です。線路の移設により作られた真新しい高架橋を走ります。長い10両編成が一直線に伸びた美しい車体の様子を見ることができそうです。新しい鉄道風景の誕生に期待が高まります!
その一方で、JR東日本仙台支社のプレスリリースによると、使用する車両の項目から、常磐線のみで定期運用に入っていた「719系」がなくなっていたのが気になります。
また、かつて「スーパーひたち」号に使用され、2020年現在はいわき〜富岡間を走る普通列車の一部で運用中の「651系」についても、公式なアナウンスはないものの……引退を危惧する声がファンの間で多く聞かれます。
「運転再開記念きっぷ」発売!
常磐線の全線運転再開を記念し、JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」で記念きっぷ「お先にトクだ値スペシャル(乗車券つき)」が発売されます。何と、乗車券と特急券が最大で半額。常磐線を使って浜通りや仙台への旅行や「乗り」「撮り」に有効活用したいですね!
もう1つ、直販サイト「JRE MALL」では「常磐線全線運転再開記念入場券」を発売します。
E657系が描かれた特製台紙と、品川駅から常磐線経由で仙台駅まで全89駅分の硬券タイプの入場券をセットにした限定5000個のネット販売限定品! 価格は1万3130円(税込)、発売は2020年2月14日。販売期間は3月13日までですが、5000セットに達し次第販売終了なので収集鉄の皆さんはどうかお見逃しなく!
全線運転再開というめでたい節目にふさわしい、さまざまな新しいこと、変わることがたくさんあります。撮影に乗りつぶしに観光にも積極的に利用していきたいですね!
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Twitterには現地の様子や再開を喜ぶ声が。