「海外では『子どもはみんなで育てるもの』という考えの国が多い」――旅先の経験から、イラストレーターのよねはらうさこさん(@yoneharausako)が「社会と育児」についてつづった漫画に、さまざまな反響が寄せられています。
仕事柄海外の人と接する機会が多く、旅に行くことも多いよねはらさん。子どもとの接し方が印象的だった海外のエピソードを紹介しています。例えばギリシャでは、お母さんが食べている間、お店の人がずっと赤ちゃんを抱いてくれていたのだとか。
アジアでも、中国では「電車の中で子どもが泣けば一斉に慰める」「子どもを抱きながら接客」「祖父母や家政婦さんに預ける」光景をよく見る――と続けるよねはらさん。「『みんなで育てる』という意識だからこそ、子どもが泣くとみんなが『どうにかしなきゃ』と考える」社会の空気があると感じたそうです。
“お母さんのワンオペ育児”が大きな問題になっている日本。よねはらさんは「『子どもは母親のもの』という考えだとワンオペのお母さんはしんどい」「他人の子どもの声が騒音に聞こえる人も多くなる」「つらそうなお母さんたくさん見る(泣)」とつづります。
「日本もいい風に変わってひとりでもワンオペつらすぎて泣いてるお母さんが減りますように」と結ばれるよねはらさんの漫画には、さまざまな意見が寄せられています。中には「昔の日本がそうだった」と振り返る声や、「防犯の問題もある」といった不安や、「子どもに対して何かをする場合は親に確認して許可を得てからの方がいい」というアドバイスも。
この記事を書いている筆者には子どもはいませんが、家族の子どもを預かったとき、お店や道端で子どもが激しく泣き出し、何をどうやっても泣き止まず、周りの人の目を気にして途方に暮れたことがあります。「『親(保護者)は何をやっているんだ』と思われているのではないか」と(言葉にされてはいませんが)責められている気持ちになってしまっていました。
一方で、電車の中で爆泣きする子どもをあやしているお母さんに「大丈夫ですよ」と伝えたくても、どう行動するのがいいのかわからず、ただじっと見ているだけの人になってしまったときも……。今すぐに「みんなで子どもを育てる」社会に変わるのが難しくても、「大丈夫だよ〜」という空気を出せる、お互いに感じられる社会になるといいですね。
画像提供:よねはらうさこさん(@yoneharausako)
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