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「無能な味方はお前だな」「孤独じゃなくてぼっちだろ」 かわいい悪魔が毒舌で人を変えていく漫画『だからお前はダメなんだ』(1/2 ページ)

小さな悪魔「佐田沼」が、相手を怒らせようとして、感謝されてしまうお話。

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 「お前は人の話を聞いてない」「この家で無能な味方はお前だな」「ウジウジウジウジ面倒くさいやつ」――うまくいかない日々にイライラする人々と、毒舌で彼らの図星を付いてくる悪魔を描いた漫画『だからお前はダメなんだ』(大和書房、1100円)が発売されました。著者はTwitterで人気の漫画家、さわぐちけいすけ(@tricolorebicol1)さん。


かわいくて毒舌な悪魔が目の前に現れた――

 頭の固い上司と自由な部下の板挟みになったOLや、有能だけどプライドが高すぎるフリーランス、仕事と育児をめぐってぶつかる夫婦など、いら立ちを抱えたさまざまな人の前に、その人にしか見えない小さな悪魔「佐田沼」が現れます。

 悪魔だから、人の憎しみや怒りが好きな佐田沼。相手をよく観察して、ズバズバとダメなところを指摘して怒らせようとしてきます。「説得力もないのに自分の主張ばかり」「孤独じゃなくてぼっちだろ」「愚痴しか言えないんだな」とぐさっとくることばかり言う佐田沼。でもその言葉が、不満を抱えた人々を変えていき、最後は思惑とは逆に感謝されてしまうことに。


人を怒らせるのが好きな佐田沼に図星を突かれて……

 例えば1話では、ロボットみたいな上司と、宇宙人みたいな部下に挟まれたOL、つくしの前に佐田沼が現れます。彼女は、上司は頭が固い、部下は効率が悪いからと指示を守らない、マッチングアプリで出会った交際相手は結婚を急ぎたがる、と文句たらたら。「私の周りは変なのばっかり」という彼女に、佐田沼は「ダメなやつ」とばっさり。

 周囲の人たちの行動には根拠があるのに、つくしこそ感情に振り回されて考えなしに行動して、結局何もしていない――とえぐるような言葉を突きつける佐田沼。はじめは怒っていたつくしも、やがては前向きに変わっていきます。

 小さくて黒くて、コウモリのような羽をはやした、コーヒー豆が好きな佐田沼。ちょっとかわいいその姿から飛び出す毒舌はかなりの猛毒。登場人物の痛いところをどんどん突いてきます。でもなぜか憎めないのは、その言葉が意図とは逆に皆をいい方向に変えてしまうからでしょうか。悪魔なのになぜか感謝されてしまう、皮肉な展開にクスリ。読み終わったあとは爽やかな気分になりつつも、佐田沼が自分の前に現れたら何を言われるだろうかと、ちょっと自分の胸に手を当てて考えたくなる一冊です。


『だからお前はダメなんだ』表紙

試し読み『だからお前はダメなんだ』1話

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