コロナで中止になったコンサートのチケット、払い戻ししないとどうなる? 打撃を受けた“推し”をどう応援したらいいのか調べてみた
プレイガイドとコンサート関係者に聞きました。
コロナウイルスの影響でさまざまなイベントやライブの中止が報じられるここ数週間。チケットの払い戻しなどの手続きをしなくてはいけない時、こう思ったことはありませんか? 「このチケット代、そのまま払い戻さなければ、主催者や推しにお金が行くのでは……?」
楽しみにしていた公演が無くなってしまったという人の中には、推しはもちろん、冷え込むエンターテイメント業界を応援したいという人も多いはず。そんな時、「プレイガイドで購入したチケット代を払い戻さないとどうなるのか」「推しを応援するにはどうしたらいいのか」を調べてみました。
プレイガイドってどんな役割?
まず、プレイガイドでチケットを買う時に、消費者が払うチケット代や手数料はどのような流れで主催者に届くのでしょうか。プレイガイドサービスを提供するイープラスに聞きました。
通常、消費者がチケットを購入する際に払うのは、チケットの額面である「チケット代金」、先行販売などの場合にかかる「サービス料」、発券手数料などの「各種手数料」です。これらを合わせた料金が、プレイガイドに1度預けられることになります。
このうち、「各種手数料」は、金融機関やコンビニなどへの利用料や手数料の支払いに使われます。「サービス料」は、そのままプレイガイドの収入となり、残った「チケット代金」から売上金額に応じた「販売手数料」を引いたものが、公演終了後に主催者に支払われるお金です。
消費者が払ったお金からプレイガイドに入る売り上げは、サービス料と売り上げ手数料の2種類。この売上から、クレジットカード決済の手数料、販促費、人件費、システム費などの運営コストを引いた金額がプレイガイドの利益となります。
チケットを払い戻ししないとどうなる?
ではイベントなどが中止になった場合はどのようになるのでしょうか。消費者が返金を求めた場合、返金されるのは「チケット代」「サービス料」「振込手数料などを除いた各種手数料」です。返金の際には、プレイガイド側には、消費者がチケットを返送した際の特定記録郵便代、返金のための振替払出証書代、コールセンターや返金処理の人件費が発生するため、この費用を「中止払戻手数料」として主催者から徴収しているとのこと。
消費者がチケットを払い戻ししなかった場合は、中止払戻手数料が発生しないため、チケット代金がそのまま主催者に返金されるということです。
イープラスや、ローソンチケットを運営するローソンエンタテインメントは、すでにコロナウイルスの影響を受けて中止になった公演の「中止払戻費用」を各社で全額負担することを発表しています。(関連記事)
チケット代を払い戻さなければ、チケット代が主催者に渡ることは間違いありませんが、主催者の元にお金が渡るのにはどうしても多少のタイムラグが生じます。払い戻し費用を負担すると発表しているプレイガイドを通してチケットを購入した場合は、規定通りに払い戻しを行い、別のルートで主催者にお金を払うのも1つの手でしょう。
コンサート関係者の意見は?
コンサート関係者の間でも、「払い戻しをせずに主催者にお金を届けよう」というファンの動きは把握しているとのこと。その上で、「個人的な意見ですが、チケット代はもともと公演を観るために払っていただいているお金なので、払い戻しをしないという選択はあまりおすすめはできません。払い戻しされないチケットがあるのは、主催者側としては正直ラッキーだとは思いますが、ファンの方の手元には何も残らず、寄付のような形になってしまう。やはり、グッズなどを買っていただくのがお互いにとって良い形なのではないでしょうか」と考えを明かしてくれました。
関係者によると、主催者の手元にお金を届けたい場合は「ケースによって異なりますが、アーティストなどの公式通販サイトでグッズを買うのが1番早いのでは」とのこと。この際に、決済にクレジットカードを使用すると入金までにタイムラグが発生するため、銀行振り込みなどの選択肢があればそちらにするのが良いと考えられます。
今回のコロナウイルスの影響で、大きな打撃を受けているエンターテイメント業界。楽しみにしていた公演が無くなったことも悲しいですが、自分の好きなグループや団体の運営状況も、ファンには大きな心配の要素です。ファンからの応援だけでなく、政府や業界から、エンターテイメントの灯火をつないでいく良い方法や対策の発表が待たれます。
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