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ドイツのAI翻訳サービス「DeepL」が日本語と中国語に対応 Google翻訳を超える精度と読みやすさ

翻訳家を対象に行ったブラインドテストでも、Googleやマイクロソフトの翻訳システムを抜いてトップだったそうです。

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 ドイツのAI翻訳サービス「DeepL」が日本語と中国語に対応し、「ほぼ完璧な和訳ができる」と話題を呼んでいます。編集部でさっそく試してみたところ、確かに訳文の読みやすさには目を見張るものがありました。


DeepL 基本的には、訳したい文章を左側の枠にペーストするだけでOK。少々時間はかかりますが、精度の高い訳文を出してくれます

 DeepLは、英語やフランス語、ドイツ語など11カ国語を相互に翻訳できるサイト。訳したい文をペーストするだけで使用できます。docxかpptx形式の文書ファイルをドラッグ&ドロップし、訳文をファイルとしてダウンロードすることも可能。ただ、今のところ、その場合は日本語と中国語には対応しません。

 翻訳を試すにあたり、編集部は原文として英語版Wikipediaの「coronavirus pandemic」の項をチョイス。2段落分の和訳をDeepLとGoogle翻訳とで比較してみました。


DeepL 翻訳結果の比較(クリックで拡大)。精度の差が顕著な部分に下線を引きました。2つ目の下線部は、DeepLが正しく訳してコロナウイルスの性質を説明しているのに対し、Google翻訳は定冠詞の「The」を見落とし、ウイルス全般の話としてしまっている

 その結果、全体的にDeepLのほうが日本語の語順や助詞の使い方がこなれていて、読みやすく分かりやすい印象を受けました。例えば、Google翻訳が「3月23日現在、37万4000を超える症例が発生しています。190以上の国と地域で報告され」と、英語の語順のままで訳を並べている箇所を、DeepLは「3月23日現在、190以上の国と地域で37万4000人以上の症例が報告されており」と語順を整理してくれています。

 また、Google翻訳には「the」の見落としによる誤訳や、固有名詞の不完全な記述がみられました。文の流れもギクシャクしており、意味をくみ取るにはある程度読み手による補完が求められるところがあります。

 DeepLの開発元は日本語と中国語への対応にあたり、翻訳家を対象にブラインドテストを実施。訳文をGoogle、マイクロソフト、バイドゥなどのシステムと比較した結果、全ての言語ペアにおいてDeepLがトップをとったとのことです。


DeepL 翻訳システムの名を伏せた状態で示された、それぞれの訳文を社外の翻訳家が評価。全てのケースでDeepLが突出している

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