消費者庁は3月25日から、ワイヤレスイヤホン及びスピーカーに関する発火・発煙等の事故に注意を呼びかけています。ワイヤレスイヤホン及びスピーカーはリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、モバイルバッテリーと同様の製品と考えて危険性を認識することが大切とのこと。
火災事故等を予防するためには以下の点に注意が必要と消費者庁。
- (1)製品本体に強い衝撃、圧力を加えない、高温の環境に放置しない。
- (2)防水の製品以外は、水をかけたり、ぬれた手で触れない。
- (3)充電中は周囲に可燃物を置かない。
- (4)異音がする、煙が出ている、熱くなっている、変な臭いがするなど、いつもと違って異常を感じたら使用を中止する。
- (5)充電ケースを布などで覆わない。
- (6)付属の充電ケーブル以外で充電しない。
- (7)お持ちの製品がリコール対象かどうかを確認し、対象品であれば、不具合が生じていなくても使用を中止する。
- (8)製造事業者、輸入事業者や販売元が確かな製品を購入する。
消費者庁の事故情報データバンクには、2015年3月から2020年2月までの5年間に、ワイヤレスイヤホンに関する火災事故等が25件、ワイヤレススピーカーに関する情報が16件寄せられたと言い、中には就寝中に発熱した際に触れて火傷をした事例や、紙が焦げた事例等も4件寄せられています。
事故の事例1(2018年3月)
インターネット通販で購入したワイヤレスイヤホンを初めて充電していて 30分くらい経過したころ、ボッと音がし、鉛のような臭いがしたので見ると、炎が20 センチくらい上がっていた。息を吹きかけて消した。そばにいたので火事にならなかったが、いなかったら危なかった。鉄の台の上に布をかけて、その上でパソコンの USB 端子に差し込んで充電していた。取扱説明書は2つの外国語で書かれている。
事故の事例2(2016年11月)
ワイヤレスイヤホンが発火し、アパートの6畳の和室が燃えてしまった。自分は不在だったが火災報知機が反応したようだ。消防の調査で、机の上に置いてあったワイヤレスイヤホンが原因だとほぼ特定されたとのことだった。机や座椅子、座布団や机の近くに置いてあったブルーレイプレーヤー、4畳分の畳が燃え、たんすの中の服もススまみれになってしまった。
事故の事例3(2018年3月)
量販店の UFO キャッチャーで獲得したワイヤレスイヤホンで深夜音楽を聴いていたところ、深夜2時頃充電が切れたので電源を入れてコンセントに差し充電しながら就寝した。午前3時頃、焦げ臭さと煙で目が覚めた。手探りでワイヤレスイヤホンを探していた際、焦げたワイヤレスイヤホンを触ってしまい右手薬指と小指を軽くやけどした。充電していたワイヤレスイヤホンが真っ黒に焦げて煙が出ていた。布団の上にあったため布団も焦げた。
事故の事例4(2018年1月)
1年前にインターネット通販で購入したスピーカーをリビングで充電していたら、突然「プシュ」と音がして破裂・発火し他のスピーカーやスピーカーを載せていた台や壁にも火が移り溶けた。スピーカー本体の電源ケーブル差込口が一番溶けていたので、そこから火が出たと思われる。メーカーに電話したところ、純正のケーブルを使用していなかったので対応できないと言われた。
消費者庁は、万が一、発煙・発火等が発生した場合には、消防署及び製造事業者に連絡をすることを勧め、「製品の欠陥が原因であれば、床などを焼損した際にも部分修復費用を請求できる場合があります」としています。
(Kikka)
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