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鉄道の3密対策、窓が開かない新幹線や特急車両はどう換気しているのか(1/3 ページ)

空調・換気装置により、常に外の空気との入れ替えを行っています。

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 新型コロナウイルスのクラスター(集団)感染予防のため、外出時に「密閉(換気の悪い空間)」「密集(多数が集まる場所)」「密接(間近で会話が発生する場面)」の「3密」を避ける行動・指針の認知が進んでいます。

 コロナ禍(か)の騒動当初から「満員電車はどうなのか?」といった心配がありました。4月7日に発令された緊急事態宣言を受け、鉄道は密集、密接の場面も減りつつありますが、騒動当初から換気のために、通勤電車の窓を開ける、ドアを開放するといった施策および認知活動を鉄道会社は率先して行っていました。

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窓の開かない新幹線は「換気」をどう行っているのか(写真:呼んでる渋沢)

 しかし、新幹線や特急車両などには窓が開かない列車もあります。これらの列車はどう換気をしているのでしょうか。

 端的には、鉄道車両は密閉空間ではなく「空調装置」で常時空気循環・入れ替えを行っています。JR東日本が公開した資料から、車両別に説明します。

新幹線、特急車両は「6〜8分ほどのペースで車内の空気を入れ替える高度な空調・換気装置を常に稼働させている」

 客席の窓が開かない新幹線や在来線特急車両では、複数の装置を組み合わせて空気の循環、入れ替えを行っています。

 新幹線は、空調装置を常時稼働させて客室内の空気を循環させ、その一部を換気装置で外気と入れ替えています。高速走行のため機密性の高い車両であり、安全面からも窓は開きませんが、その分、6〜8分ほどのペースで車内の空気を入れ替える高度な空調・換気装置を常に稼働させています。

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新幹線E5系の空調・換気方法(画像:JR東日本の資料
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新幹線の空調装置や換気装置は床下に搭載。屋根上はすっきりとしている(写真:呼んでる渋沢)

 在来線特急は、空調装置で空気を循環しながら外気も同時に取り込み、車端部の排気扇から排気する仕組みで空気循環と入れ替えを行います。空調装置を常時使うのは新幹線と同じです

 ちなみに、昔の国鉄型車両は屋根上に換気用のベンチレーターや大きな空調装置を設置していました。空調装置が普及した近年の特急車両はほとんどが省略され、屋根がスッキリしています。

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特急車両の空調・換気方法(画像:JR東日本の資料
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特急「成田エクスプレス」で運行中のE259系電車。空調装置は床下に搭載(画像:呼んでる渋沢)
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古い車両は屋根の上に空調装置を搭載していた。小さい箱型のものがベンチレーター。円弧した大型のものが空調装置。写真は国鉄型車両の115系(写真:呼んでる渋沢)
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