長年ずっと彼女に対して思っていたことを、ラストで伝えることができた恥ずかしがり屋の彼の漫画が、尊みの臨界点を超える勢いです。
満開の桜並木の中、後輩女子は桜の美しさにはしゃいでいました。「きれいっスねー」嬉しそうに笑う彼女とは逆に、先輩男子は照れながら「……そうだな。きれいだな」と小さく言いました。本当は彼女がきれいと言いたいけど、恥ずかしくてごまかしてしまう先輩。当然のように、彼女にはちゃんと伝わりません。「ねーっ! 桜吹雪すげーっ」
一緒に穴場の海に行った夏。「水が鬼きれいっス」と、楽しそうに水着で海の中に入っていく彼女を正面から見ることができず、今回もまた「き……、きれいだな」とぼそぼそと呟きました。「ねーっ! 透明度えげつね〜っ」
花火大会では、次々に夜空に弾ける花火を眺めながら「花火やっべーっ」と嬉しそうな彼女。「きれいっスね、先輩」打ち上がった花火を背景に、彼女が先輩の方を振り返りました。「きれいだと思うよ、本当に」と、今までよりもはっきりと、しかし彼女から目を逸らして言いました。「今日晴れて良かったっスね!」
いつも明るく笑って、きれいなものを見てはストレートに「きれいっスね」と先輩に伝えてきた彼女。真っ白できれいなウェディングドレスを着て教会に立つ彼女は、ためらいがちに「どうっスかね……。やっぱ自分にはこういうの似合わない気が……」と、タキシードを着た先輩に尋ねてきました。
今まではごまかしながら、はっきりと「きみがきれい」とは言ってこなかった先輩。今度こそ「大丈夫 きれいだよ」と、臆することなく彼女に伝えられました。
彼女への本音を数年後しに伝えられた様子に、読者からは「当たり前だが尊い」「尊さが限界に」「心が浄化されました」など、絶賛の声が届いています。末永くお幸せに!
作者は漫画家の川村拓(@kawamurataku)さん。現在『事情を知らない転校生がグイグイくる。』『留年! とどめ先輩』『かわいい後輩に言わされたい』などを連載中です。
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