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大戸屋、筆頭株主のコロワイドから「経営陣の刷新」を突き付けられる 連結子会社化も検討、傘下入りで「早期に業績回復」

コロワイド傘下入りで様々な相乗効果があるとしています。

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 外食大手のコロワイドは4月14日、定食屋チェーンを展開する大戸屋ホールディングス(大戸屋HD)に対し、経営陣を刷新する株主提案を6月の定時株主総会に提案すると発表しました。コロワイドは大戸屋株の約19%を保有する筆頭株主で、不振に陥っている大戸屋の経営陣を刷新した上で連結子会社化を検討。コロワイド傘下で業績回復を図るとしています。

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大戸屋のWebサイトより

 居酒屋「甘太郎」やイタリアンレストラン「ラパウザ」などを展開するコロワイドは2019年10月、大戸屋HDの創業家から株式を取得して筆頭株主に。コロワイドによると、業績が悪化する大戸屋HDの経営陣に対し、早期の回復を図りコロワイドグループ入りを打診。ですが「独自経営に固執する現経営陣は初期段階よりこれを拒絶し、協議を進展させることができませんでした」としています。

 大戸屋HDは20年2月、経営改善計画を発表。不採算の国内直営10店舗を閉店するなどして効率化する一方、これまで一律だったメニュー構成などを店舗の客層に合わせた形に変更するといった施策を打ち出しました(関連記事)。

 これに対しコロワイドは、(1)大戸屋HDの既存店売上高は前年割れが続いており、直近で実施した2度のメニュー改定は効果がなかった、(2)多くのお客が不満を感じている価格の改善には効率化・コストダウンが必要になるが、大戸屋HDの事業規模では限定的、(3)全体を通じて数値が示されておらず、各施策の合理的根拠を確認できない──と批判しています。

 コロワイドによると、3月23日以降、大戸屋HDの株主に対しアンケートを行い、コロワイドグループ入りへの意見を募集。その結果、約2万4000人に発送して約1万8900人の有効回答があり、その9割が傘下入りに賛同した、としています。

 株主提案では、取締役としてコロワイドの役員から2人、現大戸屋HDの役員から2人、これに社外8人を含む計12人の選任を求めるとのことです。

 コロワイドは、大戸屋HDが傘下に入り、各種施策を実施することで6億円以上の利益貢献があるとしています。具体的には(1)仕入れ条件の統一によるコスト低減、(2)コロワイドグループのセントラルキッチンの活用、(4)物流網の共通化によるコスト削減、(4)新店立地・業態転換候補の共有化、(5)ノウハウの結集──を挙げています。

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コロワイドが大戸屋を傘下にした場合、さまざまな相乗効果が見込めるという(コロワイドの開示資料より)

 また大戸屋HDを連結子会社化した場合、株主優待をコロワイドグループと同水準に見直すとしています。

 コロワイドの通常の株主優待は、500株以上の株主を対象に、同社グループの店舗で飲食代の支払いに使える年間4万円相当のポイントが付与されるという内容。大戸屋HDの株主優待は、500株以上1000株未満の株主に対しては、6500円相当の食事券(3年以上保有の株主は7500円相当)となっています。ただ、4月13日に発表した「特別優待制度」では、500株以上の株主に2万5000円相当のお弁当券を贈呈するとのことです。

 コロワイドの株主提案が報じられ、14日の株式市場では大戸屋HD(東証JASDAQスタンダード)が急騰。前日比+261円(+14.52%)の2058円に値を上げました。株式時価総額(同日終値ベース)は約149億円です。

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大戸屋HDの株価推移(Yahoo!ファイナンス

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