熊本地震から4年。非常用持ち出し袋の用意、家具の固定、避難場所の確認…災害が発生するたびに「やらないと…」と思う防災への備え。でも、いつかはやらないといけないことだとわかっていても、意外と後回しになっていませんか?お家で過ごす時間が増えた今こそ、取り組んでみるチャンスです!
外出自粛の今だからこそ、後回しにしていた防災対策をやってみよう
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言が出された地域を中心とした各自治体では、不急不要の外出を控えるよう呼びかけています。「自分が感染しない・感染させない」ために、人との接触を避けるように心がけることはとても大切なことですが、一方で、外出できないことへの憂鬱を感じはじめている方も多いのではないでしょうか。
でも、そんな時だからこそ、今度のお休みは、つい普段は後回しにしがちなことをやってみませんか?
最大震度7の地震が二度も発生し、275人もの死者(災害関連死含む)と、20万棟を超える住宅被害(一部損壊含む)を出した熊本地震から今日でちょうど4年が経ちました(※一度目の震度7を基点とする ※4月14日付けのTenki.jpの記事を転載しています)。こうした災害に対する備えは、やろうと思って後回しにしている方も多いのではないでしょうか。ぜひ、今このタイミングで、おうち時間を使って、「お家の防災対策」をやってみましょう。
おうち時間を使って、非常用持ち出し袋を準備する
万が一被災し、安全な場所に避難する際に必要となる非常用持ち出し袋。特別なものはそれほど必要ありません。ご自身にとって必要となる最小限のものを、できればリュックなどの両手があけられる袋に、持ち運べる重さで詰めておきましょう。
- 飲料水、食料品(非常食など)
- 救急用品(ばんそうこう、包帯、常備薬など)
- 衛生用品(洗面用具、ウエットティッシュ、下着など)
- 貴重品(現金、印鑑、保険証など)
- 避難するためのもの(防災頭巾やヘルメット、携帯ラジオ、懐中電灯など)
- 生活するためのもの(軍手、ナイフ、ライター、ごみ袋、衣類など)
- 暖を取るためのもの(毛布、カイロなど)
用意した非常用持ち出し袋は、もしもの時にすぐに持って避難できるよう、玄関の近くや寝室などに置いておきましょう。
おうち時間を使って、家具の場所や収納、固定の仕方を見直す
今、お家にいる方は、ぐるりと部屋を見渡してみてください。
- 大きな家具の配置をチェック:大きな家具が、ベッドや布団に倒れるおそれのある場所にありませんか? 倒れて出入口をふさいでしまうような場所にありませんか?
- 大きな家具や家電が固定されているかをチェック:固定方法はL字金具や突っ張り棒、着脱式移動防止ベルト、粘着シートなど。それぞれに合った方法で固定しましょう。
- 収納方法の見直し:重いもの、割れやすいものは棚の下段へ収納すると、家具の重心が下がって倒れにくくなります。部屋の片づけがてら、ぜひ収納を見直してみましょう。
在宅勤務や外出自粛でお家で過ごす時間が増えたからこそ、万が一の際、自宅での被害を最小限に抑えるためにできることを考え、実践してみましょう。
おうち時間を使って、ハザードマップを見てみる
みなさんは、今住んでいる場所について、どれくらい知っていますか?
- ハザードマップで危険が予想されているエリア内か
- 家は危険なエリア外でも、避難所までのルートに危険が予想されるエリアがあるか
- 一時集合場所・避難所の場所はどこか
これらを知っているかどうかで、いざというときの行動のスピードは大きく変わります。
雑誌やスマホを見て過ごす時間を、少しだけハザードマップを見る時間に変えて、この3つの項目を確認してみましょう。
外出自粛中の健康維持のため、避難所まで歩いてみる
なるべく外出を自粛して、感染リスクを減らすことは大切ですが、運動不足などによる健康への影響も懸念されています。日々の健康を維持するためにお家の中でできる運動などを心掛けましょう。また、国の専門家会議によりますと、3月19日に出した提言では、日々の健康を維持するための外出については必要なことであり、1人での散歩や限られた人数での散歩などは感染リスクが低いとしています。
ハザードマップで確認した避難所も、近所とはいえ、一度も足を運んだことがない状態では、いざという時不安なものです。
外出自粛時の健康維持のために散歩をされる方は、せっかくですから、この機会に近くの避難所や一時集合場所まで歩いてみてもよいでしょう。ただ、あくまで「3密」を避けることを心掛け、感染予防を行い、帰宅した際は手洗いうがいをしっかり行いましょう。
もしも今、災害が起こったら
新型コロナウイルスの感染が広がる中で、もし今災害が起こったら…と考えるととても不安になりますよね。
各自治体やメディアでも、そうした場合における情報の発信が始まっています。いざという時のために、インターネットやテレビのニュースなどからそうした情報も集めておきましょう。
例えば、避難する際は、なるべく分散して避難をする、自宅での居住が継続できる場合は在宅避難を選ぶといったことも検討する必要があります。また、避難所で生活する場合、なかなか手に入りにくい状況ですが、マスクがある場合はマスクを多めに持っていく、ない場合はタオルなどの代わりになるものを持っていくなど、非常用持ち出し袋の中身も少し変えておく必要があります。さらに、避難所では換気が必要なため、これから暖かくなる時期とはいえ、厚手の上着や毛布などがあると良いでしょう。
今災害が起こった場合、従来の避難よりも、+αで考えるべきことがあります。
おうち時間を使って、今一度、防災について考えてみませんか。
関連リンク
Copyright (C) 日本気象協会 All Rights Reserved.
関連記事
- 「特務機関NERV」防災アプリが提供開始 ユーザーの現在地・登録地点から最適化し国内最速レベルで通知
気象庁と協力して開発した「大雨危険度通知機能」も搭載。 - 「内容がガチ」「役に立つ」――東京都が配布する防災ブック「東京防災」が都民ならずとも見るべきと話題に
Webでも閲覧できます。 - 遊んで学べる防災ボードゲーム「INCASE」が登場 防災グッズを集めて災害に備えるルール
東日本大震災から9年。防災をより身近にするためのボードゲームです。 - 女子高生の防災ライフ 「防災対策部」の活動描いた漫画『ぷれっぱ!』発売
ゆるっと防災が学べる。 - 災害時に役立つ知識がたくさん 無印良品の防災マニュアルが注目集める