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2019年でいちばん「ギャッッッ!!!」ってなった映画「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer」についてダベる会をやりましたマシーナリーともコラム(3/4 ページ)

「平成を生きた者たち」なら響く映画。

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意味がある描写とない描写

とも子:なんだろ……まず「仮面ライダージオウ」の話のギミックを説明書しといたほうがいいかな?

池谷:そうだね。

とも子:まず主人公の常磐ソウゴくんは王様になりたいって夢があるんだけど……。

しげる:えっ、王様? 王様になりたいの? なんだその夢。

とも子:まるで「ジオウ」の登場人物みたいなリアクションしてくれるなお前……。で、その王様になりたい普通の高校生常磐ソウゴくんがふつうに高校生活を過ごしていると、ある日突然怪人に襲われるわけ。そこに未来から仮面ライダーがやってくる。それがゲイツ

しげる:ゲイツくんは未来から来たのか。

とも子:そうそうそう。ツクヨミも一緒にきた。なんでかっていうと、彼らは2068年から来たんだけどその時代はオーマジオウ……映画の最後の方にキンピカの、小山力也の声でしゃべる仮面ライダーいたでしょ? あいつが超悪い、大魔王なのよ。

しげる:はあ。

とも子:2068年がその大魔王に支配されてるから、世界を変えるためにガキのうちに殺そう! って2019年にやってきたの。そのガキのころのオーマジオウってのがソウゴくんなのよ。


マシーナリー≪◆color=orange◇とも子:◆≫仮面ライダージオウ Over Quartzer 左上のなんか悪そうな仮面ライダーが仮面ライダーオーマジオウ。主人公が未来で魔王になった姿……らしいのだが! という設定


しげる:「ターミネーター」じゃん!

とも子:そう。そのカウンターとしてやってきたのがウォズなの。ウォズはオーマジオウの部下だから、ソウゴくんにキチンと生き延びてオーマジオウになってもらわないと困るの。だから「我が魔王」って呼ぶのね。これがいちばん最初、「ジオウ」第1話時点でのおはなし。

しげる:なるほど。

とも子:んで、それとは別にテレビシリーズの敵としてタイムジャッカーってのがいるのよ。タイムジャッカーはオーマジオウが魔王になるのは嫌だ、俺たちがもっといい魔王を作るんだって邪魔をしにくる連中ね。タイムジャッカーは、それぞれの時代の本来の歴代仮面ライダーとはまったく別の人間を、その時代の仮面ライダーにしてしまうことで歴史を自分の都合のいいようにねじ曲げようとたくらんでるんだね。アナザーライダーって言うんだけど。

しげる:けっこうややこしい話だなあ!

とも子:具体例を挙げて言うと……例えば「仮面ライダービルド」に変身する桐生戦兎って人がいるんだけど、そいつとはまったく別の関係ない人物を、勝手にアナザー仮面ライダービルドに仕立て上げてしまうんだよ。そうすると歴史がめちゃめちゃになっちゃう。

しげる:はあなるほど、主人公が変わってしまうわけだからな。歴史が変わってしまうよな。

とも子:んでそれで歴史が変わってしまうとまずいからソウゴたちは止めなきゃ! ってジオウに変身して戦うわけね。ただ、アナザーライダーはジオウとかゲイツの力では倒せないんだよ。

しげる:なんで?

とも子:……なんか倒せないんだよ。

しげる:ええ!? なんで?

とも子:復活しちゃうんだよ。ふつうに倒すと。

しげる:なんで? そこは説明してくんないの?

とも子:で、どうやったら倒せるかっていうと本物のライダーの力が必要なんだよ! アナザーライダーを倒すにはオリジナルライダーの力でないと倒せない!

しげる:はぁー。

とも子:どうするかっていうとそこでライドウォッチが出てくるわけ。

しげる:あーなるほどね。

とも子:ライドウォッチの力を使うことでジオウやゲイツがオリジナルライダーの力を使えるようになる。それで初めてアナザーライダーを撃破できるっていうのがジオウの基本的なルールだ。だからライドウォッチを集めよう……っていう仕組みになっとる。

しげる:なるほどなるほど。

とも子:ただまあ……途中から別になくても倒せるようになっちゃうんだけど。

しげる:ええーーー!!!

とも子:パワーアップしたらふつうに倒せるようになっちゃったんだけど……。まあまあ、出だしとしてはそういうことで、それぞれみんなね、成長していくわけだから。で、ソウゴくんも俺は魔王になるかもしれないけど悪い魔王にはならないよ、いい王様になってみせるからねって戦いを続けて。それを見守るゲイツとツクヨミもあいつならいい王さまになれるかもしれん、みたいになるわけ。

しげる:あぁなるほどね。だんだん心持ちが変わってくるわけね。

とも子:見守ろうってなるわけ。ただし、もしお前が悪い魔王になったときは俺が殺してやるよ! と。

しげる:はいはい。ああなるほどね、そういう話だったのね! ……え、じゃあなんで映画だと戦国時代にいったの……?

とも子:いやいやいやそれは映画のなかで言ってたでしょ! 歴史が変わるとクリス・ペプラー……クリム・スタインベルトが歴史から消えちゃうからだよ!

しげる:ああ、そっか。クリス・ペプラーがいなくなると歴史が変わっちゃうからか……。いやだからあの映画単体だとなんでクリス・ペプラーが出てくるのか分からなすぎなんだよ!

とも子:なんでクリス・ペプラーが消えると困るかっていうと、クリス・ペプラーは仮面ライダードライブを作り出した博士だから、彼が消えちゃうとドライブの歴史も消えちゃうんだよ。ちゃんと映画の中でも言ってたぞ!

しげる:うん、言われてみればそうだったかも……。あのさ、言い訳というわけじゃないんだけどこの映画のさ……なんか、ISSAが出てきてからのことはよく覚えてるんだけど、それ以前の信長とかが出てたパートの記憶があやふやなんだよね!

池谷:それは思う! 僕もISSAが出てくる映画なんだな〜と思ってたら信長がずっと出ててISSAがなかなか出てこないから「あれ、見る映画間違えたかな……?」って思いながら見てたわ。

とも子:うんまあ……信長パートも映画の骨子としてはかなり大事なんだけどな……。そのまんま後半パートに関わってくるテーマだし……。でもまあ言いたいことは正直分かる。ISSAが出てきてからは胡乱でありながら分かりやすいビジュアルでバシバシキメてくるからな。

しげる:「平成生まれを消滅させるぞ!!」ってスカイツリーごと若者が吸い込まれるところとかメチャクチャすぎるけど、「突然現れたクリス・ペプラー」に比べると初見でもなにやってるのか分かりやすくてスッと飲み込めるもん。

とも子:あのシーンすげえよな。スカイツリー、映画とかに出すのすげえお金かかるらしいんだけど、「わざわざ金を払って……こんな映像を!?」って驚いた。

しげる:あの古墳はなに? ISSAがいた古墳は。

池谷:僕も気になった。

しげる:なんか火がボーボー出てたけど。あと太鼓たたいてた人はなんなの?

とも子:え……意味はとくにないんじゃ……?

しげる:また意味ないの!?!?

とも子:いや……多分古墳は……「王様のロケ地と言ったら古墳だろ」くらいの意味はあると思うけど……。雰囲気と、あと人をたくさん呼んでロケできるとこってだけじゃない? あの古墳がジオウの作品設定上強い文脈がある場所みたいなことはない。

しげる:テレビにも出た土地ってわけじゃないんだ。

とも子:太鼓たたいてる人も「あそこで太鼓たたかれたらテンション上がる」以上の意味はないんじゃないかな……。いや、さっきのクリムの地下室もそうだけど、とくに変だと思ってないことにツッコミを入れられるのでこっちがびっくりしちゃうぜ。

しげる:俺もいまびっくりしてる。

とも子:本当にまったく意識してないところに疑問をぶつけられるので「そこが疑問なんだ〜!」って新鮮な驚きがある。

しげる:っていうか疑問に思わないの!? 変じゃん、あんな古墳が急に出てきたら……。

とも子:「珍しいロケ地が出てきてうれしいな〜」って思う……。

しげる:ワハハハハハ!

とも子:いや仮面ライダーとスーパー戦隊ってけっこうな勢いでロケ地を使い回すからさ……。映画の最後に工場で戦ったじゃん。あの工場なんてずーっとライダーと戦隊見てると月に1、2回は見てるから。

しげる:確かにあの工場は俺ですら見覚えがあった。っていうかなんか、なにを聞いても無駄な気がしてきた! あれは何、これは何、って聞いても全部「とくに意味はない」ってなっちゃうんじゃないかと……。

池谷:それはアレだよしげる……。恐らく劇中のISSAもそうなってるんだよ。

しげる:だからかー! 分かる! なんかしっくり来るもんISSAの気持ちが! 醜いでしょう!? お前たちの平成はよぉ!(爆笑)

とも子:いや瞬間瞬間必死に生きてるんだから仕方ないだろ!

しげる:お前それ言えばいいと思ってるだろ!! もぉ〜、あとなんかそれこそさ、稲垣吾郎の仮面ライダーが出てきたりとかさあ、あとゴレンジャーみたいなやつが出てきたりしたじゃん。

とも子:はいはいはい。仮面ライダーGゴライダーね。


マシーナリー≪◆color=orange◇とも子:◆≫仮面ライダージオウ Over Quartzer 「仮面ライダーエグゼイド」の外伝としてauビデオパスで配信された「仮面戦隊ゴライダー」。スーパー戦隊とのコラボ映画出身で、ゴレンジャーと仮面ライダーくっつけました的なヒーロー


しげる:あれもやっぱり意味は特にないというか、イロモノ枠というか、ああいう面白バラエティ枠が出てきたってことなんでしょ。

とも子:違う! あれに意味は……ある!

しげる:あれはあるのかよ。

とも子:あれは要するに、平成仮面ライダーは日曜朝のテレビシリーズだけでなく、さまざまな形で紡がれてきたんだという「多様性」を表したシーンです。

しげる:多様性……。

とも子:「スパイダーバース」でさまざまな世界のスパイダーマンが一堂に会するのとまったく同じなんだよ。

しげる:うん、まあ、それは分かる。漫画のやつとかいたもんな。でもなんかなんでタブレットから出てくるんだよとか……。

とも子:それは、タブレットから出てきたゴライダーが、auビデオパス限定配信作品だったからなんだよ!

しげる:あぁー! だからなの!? そこはそうなんだ!!

池谷:漫画から出てきたやつは漫画が連載されてるし……。

とも子:あれは『月刊ヒーローズ』連載のクウガ。あとポスターから出てきたやつは舞台でやってた「仮面ライダー斬月」


マシーナリー≪◆color=orange◇とも子:◆≫仮面ライダージオウ Over Quartzer マンガの世界からクォーツァーを倒すため駆け付けた『月刊ヒーローズ』連載の漫画版クウガ。完全に「スパイダーバース」


しげる:あれは舞台のヤツなんだ! なんでそこはめちゃめちゃキチンとやってるのに古墳はちゃんとしてないんだ。

とも子:古墳はまあどうでもいいじゃん!

しげる:どうでもいいわけないだろ!!


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