“カワイイ顔”の女の子しかいない不思議な学校を舞台にした漫画が、自分らしさや美しさについて考えさせられると反響を呼んでいます。
主人公・メンコの通う学園には「玄関にある女神像が一番カワイイ」という不思議な価値観があります。女子生徒たちはその像をまねてメイクし、みんな同じような顔。そんな中、メンコは「どのカオもそんなにかわいいか!?」「みんな同じ顔、きもちわるい」と女神メイクはせず、我が道を行っています。
友達の水田は、変な文化だけどこれが流行、という考え方。「メンコはそのままでいんじゃない?」と言う水田も、しっかり女神像メイクをしています。その価値観を「変なの」と思うメンコは、みんなから「ウケる。変わってんね!」と学校では浮いている様子。
ある日メンコは、ひょんなことから女神像の顔を変える機械を見つけてしまいます。女神像の顔を、ひいてはみんなの顔を変えて遊ぶうちに、メンコは女神像を自分の顔にしてしまえば、自分が一番「カワイイ」になれると思いつくのですが――。
みんながそれぞれの魅力に目を向けず、誰かに作られた1つの「かわいさ」に向かうこと、本当にそれがよいのか判断することなく「そういうものだ」と同調すること……そんな世の風潮を映したような物語に、個性や自分らしさについて考えさせられます。
この作品は、作者のMame.(@Yakitori_art)さんが大学で出された「世の中の様々な出来事に怒りではなくチャーミングさをもってして異を唱えよう」という課題で制作したもの。Mame.さんは「漫画のSNSでの拡散されやすさや読み物として楽しめるチャーミングさに目を付けて『女性が持つかわいい顔の共通イメージ』に異を唱え、SNSを通して伝えるというところまでが作品でした」と話してくれました。
読者からは「魅力とは定義される物ではない。見いだす物なのだ」「なんか、嬉しくなりました。あたしはあたしの自由でいい」といった感想や、「ピンク色の目は自分らしさで青色の目は支配された自分を意味してるのかなぁ」「色の表現方法に惚れました」など色の表現に注目するコメントが寄せられています。
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