映画会社の「アップリンク」の元従業員が、同社代表の浅井隆氏からパワーハラスメントを受けていたことを告発・提訴したことを受け、浅井代表が公式サイト上であらためて謝罪。今後の対応について説明しています。
元従業員ら5人が浅井代表からのパワハラを告発したのは6月16日のこと。「他の従業員や来場者の面前で理不尽な理由で怒鳴る」「『社長の言うことが聞けないのか』等と恫喝する」「『おまえは病気である』等の人格を否定した発言をする」「時に改善を要望しても『議論する余地はない。会社に残るか去るか』等 と半ば強引に退職を促す」などのパワハラが“長期にわたり日常的に”行われてきたことを理由に損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、原告5人のうち4人が実名と顔を公表して記者会見に臨みました(関連記事)。
こうした動きを受け、浅井代表は6月16日付で「元従業員の方々から訴訟を提起されたことに関して、真摯に受け止めております。不適切な言動があったことを深く反省し、謝罪致します。本件の解決に向けて、誠意をもって対応をして参ります」との声明を発表していましたが、6月19日付で新たな声明を発表しました。
「謝罪と今後の対応について」と題された声明ではまず、「今回提訴した元従業員5名の方、そして、そのほかの元従業員、現在勤務している従業員の皆さんに対して、私のこれまでの言動に過ちがあったことを認め、傷つけたことを深く謝罪致します」とあらためて陳謝。
従業員への態度について、過去にスタッフから何度も是正するよう求められてきたことを明かしつつ、「よい仕事をするには注意して直していくことが必要なのだ、その注意は、理不尽ではないと思っていました」として「スタッフに対して人としての尊厳を傷つけていることに自覚がなかった」と説明。「自分の経営者としての力不足、叱責によってスタッフを傷つけたこと、無理な采配で過度な負担をかけてきたことを、深く反省致します」とつづっています。
今後の対応については、現在アップリンクには多額の負債があり、連帯保証人は浅井代表1人という状態のため、経営を他の人に任せるのは難しく、浅井代表が退任する予定はないとのこと。外部委員会の設置、通報制度・窓口の設置、社内体制の改革・スタッフとの定期的な協議、取締役会の設置、セミナー、カウンセリングへの参加といった対応を専門家を交えて検討していると明かしています。
最後に浅井代表は「今回、提訴にあたって、原告の皆さんが実名で顔を出して会見をしたことはとても覚悟のいることだったと思います。それを深く受け止め、心に刻みます。同時に、現職のスタッフ、これまで働いてくれたスタッフの訴えに耳を貸さなかったこと、わかったつもりになって、きちんと対応しなかったことを、深く反省しています」とつづっています。
こうした声明について原告側は「アップリンク側から新たな謝罪文が発表されましたが、その内容と発表のプロセスは納得できるものではありません」とツイート。原告側からも近く新たな声明が出されるもようです。
(Kikka)
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