怪談話の蒐集にあたって、もっとも効率的な方法は「出会った人たちから、地道に話を聞き出す」こと。幽霊なんて信じない、という人であっても「不思議な体験はなかったか」と切り口を変えて尋ねれば、ひとつやふたつは奇妙な体験談を語ってくれるものです。
そういった形で聞き出した談話には、実体験だからこその説得力と雰囲気が備わっています。今回ご紹介する作品をお読みいただければ、この「実話怪談のおもしろさ」を体感できるはずです。
作者は漫画家のみつつぐ(@mitutugu)さん。サンライズが運営するガンダム情報の公式ポータルサイト「GUNDAM.INFO」で、『週刊ガンダムニュース』を連載中です。
実家を離れ、ひとり暮らしを始めた男性のお話。彼はある日、不思議な夢を観たと言います。
彼の部屋に、見たこともない和装の女性が座っていました。ですが彼は、それを見て怖いとも不思議とも思わず、気づけば住んでいた街を2人で散歩していたそうです。
やがてこの女性は、「もういいですか?」と声を掛けてきた、黒いスーツの男に手を引かれ、彼へ一礼した後に立ち去り……彼は、ここで目を覚ましました。
目覚めた彼は「変わった夢を見たな」と、気にも留めていませんでしたが……その日の夜に母親と電話で話したところ、世間話とともに「庭のフジに根腐れがあって、昨日とうとう倒れてしまった」と告げられるのです。
そして彼はふと、夢に出てきた女性の正体に感づきます。電話を切った後「そんなに仲良くしていた記憶はないんだけど……なんだか嬉しかった」と、彼は思ったそうです。
みつつぐさんの「人から聞いた不思議な話を漫画にしてみた」シリーズは、記事執筆時点で12話まで描かれています。有志の方がリンクをまとめているので、そちらのツイートから1話ずつ、実話ならではの面白さを味わってください。
作品提供:みつつぐ(@mitutugu)さん
たけしな竜美(@t23_tksn)
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記憶なんてただの記録。