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「父母よ。どうか。どうか無事であってくれ」 実在の日記をもとに“原爆の日”の惨状を伝える「ひろしまタイムライン」がリアル(1/6 ページ)
序盤こそ比較的穏やかな暮らしぶりがみられますが、やがてツイートの内容がどんどん不穏となり、8月6日の原爆投下へ……。
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75年前の1945年、終戦の年にもしもSNSがあったら――。NHK広島の企画「1945ひろしまタイムライン」が注目を集めています。当時の広島で書かれた3人の市民の日記をツイートへ翻案し、戦時下の暮らしを伝える試みです。
同企画では1945年当時の広島市民、新聞記者の大佐古一郎さん、主婦の今井泰子さん、中学生の新井俊一郎さんをモデルにしたキャラクター、一郎(@nhk_1945ichiro)、やすこ(@nhk_1945yasuko)、シュン(@nhk_1945shun)の各アカウントを開設。彼らの日記や史料を手がかりに、11人の広島出身・在住のメンバーがツイートを創作しています。
ツイートは3月下旬に始まり、元の日記の日付に沿って、2020年の同日にリアルタイムで投稿。序盤は一郎さんが俳句をたしなんだり、やすこさんが兵役に出ている夫からの手紙を喜んだり、漫画好きのシュンさんが防空壕作りの様子を絵にしたり、戦時下ながら比較的穏やかな暮らしが伝えられています。
しかし、戦況が悪化するにつれて物資の欠乏や空襲、新聞への検閲や、やすこさんへの手紙の遅延など、不穏な話題が目立つように。シュンさんが厳しい軍国教育を受け、勤労奉仕に駆り出されるうちに、絵を描く頻度が減っていく様子はやるせないものを感じさせます。
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