自分で自分に「でかした!」って言ったことあります? 関東出身者が職場などで聞いた“東北地方の方言”(1/2 ページ)
他の人に言うなら「よくやった!」的な意味合いだけど……?
え、この言葉通じないんですか!?―― そんな体験談を日本各地の方に聞く読者募集企画「マジで方言じゃないと思ってた」。今回は神奈川県出身の方に、“東北地方の職場で使われていた方言”について伺いました。
山形県:これでかしたら帰るはー
山形県の「でかす」。「でかした!」は「(誰かに対して)よくやった!」ではなく、「(自分の成果として)終わらせたぞ!」という意味になります。私は神奈川県出身なのですが、夫がこの方言を使っていて。本人は共通語だと思っていたようです。
―― そちらのご出身なんですね、旦那さん
私も山形県で働いていたことがあるのですが、職場の方々は「これでかしたら帰るはー」みたいな感じで使っていましたね。語尾の「はー」も山形弁です。
※投稿者さん補足:「一応、山形県民の夫に聞いてみたら、『でかす』は他人に対しても頻繁に使うそうです。『これでかしといては』みたいな感じで」
秋田県:「あのテーブルに上げといたもんね」は方言?
今度は私が秋田県で働いていたときの話です。そこは同県が地元の人、他県から来た大学生が半々(それぞれ50人くらい)の職場で、方言について話したりしていました。
―― いろいろな出身地の人が集まると、方言の話になるのは“あるある”なんでしょうね。
その際に全く話題にならなかったのが、「置いてある」という意味の「上げる」です。
あるとき、私は「そこの棚に“上がってる”の取ってくれる?」みたいに言われて、棚の上の方を見ていたら「目の前にあるでしょ!」と怒られました。
―― 「上がってる」というくらいだから高いところにあるのかと思ったら、普通に置いてあるだけだったわけですか。
その職場にいた“秋田県が地元の方々”は皆さん、この「上げる」を使っていましたね。本当に自然な表現で、私が解釈違いをするまで、全く「方言なのではないか」と思いませんでした。
もう少し例を言うと「○○ってどこにある?」「それならあのテーブルに上げといたもんね」という感じで使います(秋田の方は語尾に「〜だもんね」も付きます。共通語にありますが、使い方が違うなあと感じました)。
編集部注:「上げる=置く」は方言なのか調べてみました
そもそも「上げる」という動詞にはとても多様な意味があり、「家に入らせる(家に上げる)」「結果を出す(収益を上げる)」といった形でも用いられます。「タンスを2階に“上げる”」という使い方なら「タンスを2階(要するに高いところ)に“置く”」と解釈しても不自然ではないでしょう。
しかし、今回問題になっているのは「特に高くない場所に置く場合でも、この“上げる”は使えるのか」ということ。試しにTwitter上で、「○○ってどこにある?」「テーブルに上げといた」を例文に、「『置く』という意味の『上げる』、聞いたり言ったりしたことはありますか?」というアンケート調査を行ってみたところ、YESが35.2%、NOが64.8%(2554票)でした。
結果を見るに、この使い方をする人はどうやら少数派のもよう。ねとらぼ編集部が調べた限り、単に「置く」という意味の「上げる」を(秋田県に限らず)方言として紹介する資料はありませんでしたが、少なくとも誰にでも通じる表現ではないことは確かなようです。正直、筆者(群馬県出身)の実家でも、わりと普通に使っていた気がするんですが……。
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