『鬼滅の刃』盗難被害にあっていた温泉施設、その後全国から寄付ぞくぞく 「スタッフ一同、泣いてしまうくらい感謝しています」(1/2 ページ)
これまでに200冊近い寄付が集まっているそうです。
施設内に置いていた『鬼滅の刃』20冊を盗まれ、自発的な返却を求めて話題になっていた山口県の温浴施設「おんせんの森」ですが(関連記事)、その後ツイートやニュースを見た複数の人から、約190冊もの『鬼滅の刃』が寄付されていたことが分かりました。施設の担当者は編集部の取材に対し「スタッフ一同、泣いてしまうくらい感謝しています」と答えました。
同施設は9月25日、リラックスルームにあった『鬼滅の刃』1巻〜20巻が盗まれてしまったとツイート。しかし、「誰かが道を踏み外しそうになったら 皆で止めような」と作中のセリフを引用しつつ、「警察には言わず、SNSの力でその人を止めてあげたい」と言及。その姿勢や優しさに共感が集まり、ツイートは大きな話題になりました。
その後、「おんせんの森」は10月8日に再びスタッフブログを更新し現状について報告。いまだ盗まれた漫画は返ってこないとしつつも、前回のメッセージを見た全国の人から続々と『鬼滅の刃』が届き、大いに驚いたといいます。ブログでは寄付してくれた人たちからの手紙もコメントとともに紹介。ちなみにブログ更新後もさらに追加の『鬼滅の刃』が届いており、編集部が話をうかがった11日午後の時点では9セット、合計約190冊にものぼっているそうです。
「おんせんの森」のTwitterでは、「本棚に陳列をさせて頂き、大切に保管をしていきたいと思います」と消毒や陳列の様子をツイート。編集部では施設の担当者に再度、その後についてお話を聞きました。
―― 段ボールが届いたときはどんなお気持ちでしたか。
担当者:盗んだ本人ではなく、まさか他の方から届くとは思ってもおらず、うれしいというより、驚きで開いた口がふさがらないといった状態でした。
―― 最終的には何冊くらい届いたのでしょう?
担当者:その後もさらに届いていて、今のところ9人から合計約190冊ほどです。鹿児島、広島、千葉、愛知、東京など、県外からも多く届いたのには驚きました。コロナの影響について心配してくださったり、県外からも「ぜひ行きたい」と温かい声をかけてくださるものもあったり、スタッフ一同感無量でした。
―― 前回のツイートの後、どんな反響がありましたか。
担当者:地元の人で「ぜひみんな行ってあげて」と温泉の魅力をPRしてくださった方もいらっしゃいました。、あと『鬼滅の刃』以外の漫画を送ってくださった方もいて、無料でいただくのは恐縮なので、何かお礼ができないかと段取りを進めているところです。
―― 客足には影響はありましたか?
担当者:おかげさまで、少し増えていると思います。昨日見たときも『鬼滅の刃』を読んでくださっているお客様が多くいらっしゃいました。とはいえもともとコロナの影響で、普段の売上の半分以下に落ち込んでいましたので、このまま行くとやはり苦しいというのが実情です。
―― 寄付された本については今後どうされる予定ですか。
担当者:スタッフががんばって『鬼滅の刃』らしい和柄の本棚を作ってくれましたので、そこにグッズなどと一緒に並べようと思っています。
「おんせんの森」は山口県山口市にある日帰り温泉施設。1日2000トンの湯量を誇る「湯田温泉」は、アリカリ性で肌によく馴染む、柔らかな泉質が特徴。リラックスルームには5000冊以上の漫画や書籍が常備されており、大人から子どもまでゆったりとくつろぐことができるそうです。
※画像提供:おんせんの森
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