通年採用を既に導入、または導入の検討をしている企業が約7割――ビズリーチは10月12日、新卒採用についてのアンケート調査の結果を発表しました。
調査の対象となったのは、「HRMOS採用」または「ビズリーチ」を導入する企業の採用担当者315人。
新卒採用を実施している企業の採用担当者に通年採用の導入・検討について尋ねたところ、28%が「導入している」(28%)、37%が「導入を検討している」という結果でした。 実に6割以上もの企業が、一律ではなく候補者ごとに選考時期を分散させる「通年採用」を導入済み、または導入を検討しています。
拡大しつつある通年採用
また、通年採用を導入・導入を検討していると回答した企業に「いつから通年採用を導入・導入を検討しているか」と尋ねると、36%が「20卒以前から導入している」と回答。
一方、通年採用を検討中と答えた企業では45%が「導入時期は未定」という結果になりました。
通年採用を導入したいものの、さまざまな事情で目途が立たない企業が多いようです。
導入・導入を検討している理由を尋ねたところ、最も多かった回答は「必要な人材を最適な時期に採用できる」(68%)でした。
ついで、「早期に就職活動を始めた学生に出会える」35%、「じっくりと候補者を見極められる(ミスマッチリスクの軽減)」「留学経験者など3月卒業以外の学生を採用できる」(ともに31%)が続きます。一律では採用しきれない、多様な学生を採用したいというニーズが企業側にはあるようです。
コスト増、煩雑化……通年採用でクリアすべき課題は?
「今後新卒採用において、通年採用が一般化すると、どのような課題が生じると思いますか」という質問では、「学生の志願度(入社意欲)を上げるための最適なコミュニケーション設計」が最も多く50%、「煩雑化する採用オペレーション業務の効率化」(49%)、「採用の長期化による学生との接点の一元管理」(47%)が続きます。
一律採用では、一斉に合同説明会や就活セミナーが行われ、学生たちに向けて就職活動に必要なことを伝えつつ、意識を高めていきます。
企業側も一定期間に集中して、書類選考や面接、学生とのやり取りになどに時間と人員を割けばよかったのですが、通年採用が一般化すると、これまで通りにはいかないことも増えそうです。
すでに通年採用を導入している企業からは、「学生とのコミュニケーションが長期化するため、求める人材を確実に採用するよう進める必要がある」、「システムでの管理が必須になると思う」と確実な採用のためのシステム作りを求める声が上がっています。
導入を検討している企業からは、「通年採用は、企業が求める人材を少人数採用する場合には良い部分もあると思うが、ある程度人数の採用が必要なポジションにおいては、採用活動の長期化により負担増となる可能性がある」とコスト増大への懸念が多いようです。
通年採用を導入していない企業からは「内定を出してもいつ辞退されるかわからないので、とても難しさを感じる」という声もあり、学生が同時期に就職活動を行っていたことで、企業が安心感を得ていたことがわかります。
また、「採用を成功させるためには、『学生の志向にあわせた継続的なフォロー』が重要だと思いますか」という質問では「思う」が64%、「どちらかと言えば思う」が32%と、96%の人が通年採用におけるフォローの重要性を感じているようです。
通年採用が拡大し、就職活動が長期化すると、企業が学生1人ひとりの個性をじっくり見極める方向になっていくのでしょうか。
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