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かつてない社会現象「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」レビュー 本編の魅力をネタバレなしで紹介(4/4 ページ)

「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」のかつてない社会現象をまとめると共に、本編の魅力をネタバレなしでお届けする。

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 何より、IMAXシアターに合わせてチューニングされた”音”の力が大きい。絶妙なタイミングで盛り上げてくれるBGM、ド迫力の斬撃などの効果音、そして己の主義主張を高らかに宣言するキャラクターたちのセリフ。それらをIMAXという最高の環境で聴くことができるのだから。

 もちろん、ダイナミックかつケレン味たっぷりのアクションは、やはり大スクリーンで映える。少なくとも音響の良い劇場を選んで欲しいし、「IMAX分の料金を上乗せする価値は間違いなくある」と断言しておこう。


7:コロナ禍における救世主となるか

 2020年は新型コロナウイルスがまん延し、映画を含むエンターテインメント業界がかつてない苦境に立たされることになった。だが、日本では6月からの映画館の再開後、客足は徐々に戻りつつあり、厳格なレギュレーションの換気設備が備わっていること、マスクの着用が義務付けられ安全であるということも、観客に浸透しているように思える。

 そこにきて、この「無限列車編」の大ヒットは、映画館という娯楽施設の復活ののろしと呼んでも差し支えないのではないか。少なくとも、「鬼滅の刃」というコンテンツが、日本の映画館を、いや日本経済も含めて後押ししてくれているのは間違いない。

 願わくは、この「無限列車編」を見た方が他の映画作品にも注目し、映画業界が盛り上がっていってほしい。たくさんの人が集まり、集中して見ることができて、その“空気”も含めて楽しめる映画館は、配信サービスにはない大きな魅力ある。そして、新型コロナウイルスの対策も十分にされていて、マナーを守れば安全な場所でもある。そのことを、これまであまり映画館に足を運ばなかったという方に、知ってほしいのだ。

映画館の空気の流れを“見える化”「映画館の換気実証実験」

 直近でこの「無限列車編」を見た方におすすめしたい映画としては、11月7日に公開される「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)〜ぼくが選ぶ未来〜」がある。

「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)〜ぼくが選ぶ未来〜」予告編

 この「羅小黒戦記」は元々中国で2011年から配信がスタートしたWebアニメシリーズであり、2019年に公開された劇場版が大ヒットし、日本でも字幕版が小規模で公開され、映画ファンやアニメファンの間で口コミで話題となった。現在もFilmarksでは4.2点の高評価をマークしている

 映画「羅小黒戦記」には、仲間との旅、敵キャラクターの切ないバックボーン、少年マンガ的なハイスピードバトルなど、「鬼滅の刃」との共通点も多い。しかも、今回公開される吹き替え版は、花澤香菜、宮野真守、櫻井孝宏、松岡禎丞、斉藤壮馬、杉田智和、水瀬いのり、豊崎愛生、大塚芳忠などと豪華声優陣が勢ぞろいしているのだ。

 「羅小黒戦記」の後にも、12月25日には「劇場版ポケットモンスター ココ」、2021年1月23日には「シン・エヴァンゲリオン劇場版」と、毎月魅力的なアニメ映画が公開を控えている。「無限列車編」で「豊かなアニメを映画館で見る」感動を再確認したならば、ぜひ次の作品にも目を向けてほしい。まだ見ぬ、素晴らしい映画はこれからも、あなたを待っている。

ヒナタカ

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