秋田駅「海鮮小箱 サーモンハラスいくら弁当」(980円)〜駅弁売店の店員さんのアイディアも詰まった新作駅弁!
毎日1品、全国各地の名物駅弁を紹介! 秋田駅「海鮮小箱 サーモンハラスいくら弁当」(980円)です。
【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2020年2月25日)
日本一深い湖・田沢湖や乳頭温泉郷、強い酸性の温泉で知られる玉川温泉の最寄り駅、田沢湖駅を出て仙岩峠越えに挑む、E6系新幹線電車「こまち」東京行。
「こまち」は、7両のうち東京寄り11号車がグリーン車、残りの6両が普通車指定席です。
盛岡〜秋田間は、指定を取らずに特定特急券で空席を利用することもできます。
秋田もこの冬は雪が少なめですが、さすがに県境の峠は雪景色が広がっています。
国道46号沿いにあり、甘口のおでんが名物の「仙岩峠の茶屋」付近から、まるで水墨画のような景色のなかを走って行く「こまち」号を眺めます。
仙岩峠は厳しい地形ゆえ、“新幹線”と言っても、ローカル線並みのゆったりとした走り。
このため、今後は新しいトンネルの計画も報じられています。
いずれは雪景色の渓谷を走る赤い新幹線も、懐かしい思い出となるのかもしれません。
そんな「こまち」の始発駅・秋田に、昨年(2019年)末から新しい駅弁が登場しました。
その名も、「海鮮小箱 サーモンハラスいくら弁当」(980円)。
小ぶりの箱に鮭が描かれたサーモンピンクの掛け紙が掛けられ、紐で綴じられています。
製造する「関根屋」によると、販売する秋田駅NEWDAYSの店員さんが、イラストを描いて新作のアイディアを関根屋に持ち込み、見事、商品化にこぎつけたと言います。
【おしながき】
- ご飯
- サーモンハラス焼き
- いくら醤油漬け
- 鮭フレーク
- ネギ入り玉子焼き
- 酢蓮根
- しそわかめ
- 紅葉蒲鉾
掛け紙を外すと、小箱に詰められたあきたこまちの白いご飯の上に、焼き上げられたハラスをセンターに、キラキラ輝くいくらの醤油漬けと、鮭のフレークが一面に載っています。
この手の駅弁では、錦糸玉子を使って彩りを付けることも多いですが、鮭だけでご飯を埋め尽くした上で、ひと手間掛けたネギ入りの玉子焼きを入れて、見事1000円以内に抑制。
工夫の跡が感じられる駅弁は、手に取ると嬉しくなるものです。
「こまち」から乗り継ぐ観光列車と言えば、五能線経由の快速列車「リゾートしらかみ」。
以前、秋田駅には、沿線の食材を使った「あわび五能線弁当」という駅弁がありましたが、生産元の都合で販売が終了し、海鮮系の駅弁が新たに求められていた事情もありました。
このため、「海鮮小箱…」の開発が進められ、2月からは帆立バージョンも登場したそう。
秋田駅で乗り継ぐ際は、売店の店員さんのアイデアも詰まった“小箱”に注目です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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