昨今の電力需給逼迫(ひっぱく)を受け、「市場連動型」の電気料金プラン契約者から「今月10万円コースになる」「通常の電力会社の価格より10倍いってる」など悲鳴があがっています(Togetter)。電力会社によっては独自に対応を発表している、「10年に一度」ともいわれる深刻な電力不足は今後も続く見込みで、しばらくは予断を許さない状況が続きそうです。
「市場連動型プラン」というのは、ざっくりと言えば「電力の需給状況に応じて電気代が変わるプラン」のこと。自然電力、エルピオでんき、テラエナジーなど一部の電力会社が提供しており、電力が潤沢に供給されている間は通常よりも安く電気を利用できるのが大きなメリットです。
しかし、逆に言えば電力が不足している状況では当然、通常時よりも電気代は高くなります。電力の取引価格は「日本卸電力取引所(JEPX)」によって決まるのですが、火力発電所の燃料となる液化天然ガスの不足、さらには大寒波の影響などもあって12月半ばごろから価格が高騰。1月に入ると、昼間の平均価格が150円(1kWhあたり)を超えるような日も出てきました。ちなみに前年の1月は昼間平均8〜10円ほどで、同時期と比べて15倍以上に高騰していることが分かります。さらにピーク時には、1kWhあたり250円を超えるようなケースも……。
この高騰を受け、市場連動型プランを提供している電力会社もそれぞれ声明や対応を発表しています。一例として、ハチドリ電力は異常高騰分の電気料金を全て同社が負担すると発表、また、自然電力グループも1月・2月の請求分から、利用状況に応じて最大3万円まで値引きを行うと発表しています(いずれも記事執筆時点)。どちらもかなり異例の対応となりますが、それだけ今回の高騰が異常事態であることを物語っているともいえそうです。その他、テラエナジー、ダイレクトパワーなども対応や声明を打ち出していますが、会社ごとに内容は異なるため注意が必要です。
この高騰は1月だけではなく、2月に入っても影響がある見通し。市場連動型プランで契約している人は引き続き、取引価格の変動や契約会社の発表に注意しておいた方がよさそうです。
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