ダニエル・ラドクリフがクソリプ送ってデスゲームに強制参加する映画「ガンズ・アキンボ」の3つの魅力(2/4 ページ)
クソリプを送ったらデスゲームに強制参加させられて最強の女殺し屋に襲われる映画「ガンズ・アキンボ」が最高に楽しかった。
うがった見方をすれば、この両手に拳銃を強制的につけられるという状況は、「加害性の無自覚」についての痛烈な批評とも読み取れる。クソリプのためにキーボードを叩いていた両手が、人を撃ち殺すための銃に代わる。つまり、クソリプという言葉による暴力は銃のようなものであり、加えて強制的にデスゲームに参加させることで、「お前はこんなふうにクソリプを飛ばして周りの人を傷つけて来たんだよ!」とその罪の重さを思い知らされる。そんなSNS時代ならではの学びが得られる内容ともいえるかもしれない。
魅力2:敵の女殺し屋が超強くてやべー
本作の最大の魅力と言って差し支えないのは、敵となる女殺し屋ニックスのキャラクターだろう。パンクなファッションに身を包み、飛んだり跳ねたりのハイスピードアクションを繰り出し、次々と強力な武器を携えて襲ってきて、何よりデフォルトで喜々として殺人を行っている。並の殺人ゲームの参加者では秒殺されるほどの戦闘力を誇る彼女に、クソリプが趣味の男が勝つなんて無理ゲーなのだが、だからこそ窮地を脱して逆転をしていく過程にゲーム的な面白さがある。
そんな女殺し屋ニックスだが、ただのサイコな人物ということだけで終わらせず、後に判明するバックグラウンドから存分に感情移入をさせてくれるということもうれしいポイントだ。終盤の活躍までを見届ければ、誰もが彼女のことを大好きになれるのではないか(人殺しなのに)。アクション映画史上に残る名キャラクターが誕生したと言っても決して過言ではない。
そして、この女殺し屋を演じた女優サマラ・ウィーヴィングという名前をぜひ覚えて帰っていただきたい。彼女は本作に限らず、冴えない少年が殺人鬼たちとバトるNetflix映画「ザ・ベビーシッター」でイケイケなベビーシッターを、狂った一家と殺るか殺られるかのかくれんぼをする「レディ・オア・ノット」で絶望的な状況から吹っ切れる花嫁を演じるなど、グロ描写ありありのジャンル映画の常連であり、それらに最高にハマっているのだ。
加えて、2020年末に日本公開された「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」ではウィーヴィングは普通のかわいいお姉さんを演じていたりもするので、その役者としての振れ幅も恐れ入る。
魅力3:ドンパチしまくって人がいっぱい死んじゃう
この「ガンズ・アキンボ」は端的に言って、「人がたくさん死んじゃうハイテンション&ゲーム感覚のアクション映画を期待すれば、その期待以上のものが見られて大満足できます、以上です」という内容でもある。バラエティ豊かな銃撃戦のめじろ押しで、通常のアクション映画の軽く10倍くらいは人が死にまくり、派手に血飛沫をまき散らすのだから。
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