日本劇作家協会が戯曲を後世に伝え、適切な方法で上演してもらうことを目的としたWebサイト「戯曲デジタルアーカイブ」を2月28日に公開しました。
同サイトでは戯曲を「劇作家名」「作品名」で検索することが可能。検索結果は「上演時間」「上演人数」などで絞り込むことができます。
現時点で500を超える戯曲データを掲載。例えば「宮藤官九郎」で検索すると、2004年に上演された「鈍獣」がヒット。あらすじに加えて「目安となる上演時間:2時間〜3時間」「目安となる上演人数:6人(男性3人、女性3人)」といった情報が一覧化され、「戯曲を読む」をクリックすると、200ページに及ぶ台本を全ページ読むことができます。
掲載されている戯曲は、全て劇作家本人または権利者が掲載を希望した作品。実際に上演するには、一部の例外を除いて権利者の許諾が必要となります。各作品ページの「上演許諾について」の欄には、同サイトや権利元に問い合わせるための導線まで用意しており、まさにいたれりつくせりです。
Twitter上では「現代演劇の戯曲がこんなに読めるなんて……」「図書館に籠って読み漁ったり倉庫からわざわざ取ってきてもらったりしてたのがこんなにわかりやすく綺麗にまとまるのか……すごい」「昨晩このサイトに興奮しすぎて夜更かししました」と、その物量と利便性に歓声が。今後のラインアップのさらなる拡充にも期待がかかります。
戯曲デジタルアーカイブとは
戯曲デジタルアーカイブは「一人でも多くの方に、末永く戯曲を味わってほしい、また適切な方法で演劇作品として上演してもらいたい」という思いで運営されています。
ぜひ、気軽に戯曲を楽しんでください。そして、気に入った作品は多くの方に広めてください。
願わくは、ギリシャの戯曲の殆どが失われながらも引き継がれてきたように、現代の作家によって生み出された素晴らしい戯曲たちも、人類共有の財産として未来に引き継がれていきますように。
日本劇作家協会
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